2018 Fiscal Year Annual Research Report
An approach to integrate divergent views of grief care between health and human service professionals and their recipients
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15K04029
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
増田 匡裕 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 教授 (30341225)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | グリーフ・ケア / 対人援助職 / ソーシャル・サポート |
Outline of Annual Research Achievements |
当初の研究計画は予測不可能の障害で変更を余儀なくされ、最終的にはグッド・プラクティスと周産期の医療者が考えているグリーフ・ケアの15の具体的な行為を一般成人(国内在住1533名の一般成人男女)が評価する調査をすることで、援助者と被援助者の意識のギャップを研究する本課題の趣旨を最低限満たし、今後の研究の糧とすることとした。15のグッド・プラクティスを8つの観点から評価するウェブ調査形式の質問紙調査を実施し、1006名の有効回答を得た。実際にグッド・プラクティスを経験した回答者や実践者であっても、肯定的評価と否定的評価が対立することを示す結果が得られた。この調査ではウェブ調査会社のモニターを利用することで一般社会人のサンプルを収集している。 これまでの報告で示しているように、本課題は当初の計画通りに遂行できなかったが、グリーフ・ケアの社会心理学的研究をする上で研究倫理面で2つの大きな問題を解決せねばならないことが明らかになった:第1の問題は心理学研究とInternal Review Board(IRB)の関係であり、本課題研究者は前所属期間でのIRB設立に疲弊した結果、医療系大学に転出することで研究を続行することを選んだ。第2の問題はセンシティヴな質問の作成・呈示法という方法論的な問題である。 延長した4年目の研究活動では方法論の充実と新たな研究の基礎となる理論の洗練も行った。医療系大学のIRBの承認を得るための方法論の情報収集を主たる目的として自身のデータを示しながら内外の学会に参加した。また、同じようにグリーフ・ケアを経験しながら賛否が割れることから、同じ経験を相互理解する過程を説明する臨床心理学の古典理論(パーソナル・コンストラクト理論)の応用を試みている合衆国の研究者に指導を仰いだ。 また、これまで交流を続けている自助グループやサポート・グループとのラポールも維持した。
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