2018 Fiscal Year Research-status Report
教員養成課程における学校ボランティアプログラムを通した実践的力量の形成
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15K04053
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
松木 健一 福井大学, 学術研究院教育・人文社会系部門(教員養成・院), 教授 (10157282)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 将史 福井大学, 学術研究院教育・人文社会系部門(教員養成・院), 准教授 (20568498)
廣澤 愛子 福井大学, 学術研究院教育・人文社会系部門(教員養成・院), 准教授 (10345936)
笹原 未来 福井大学, 学術研究院教育・人文社会系部門(教員養成・院), 准教授 (90572173)
粟原 知子 福井大学, 学術研究院教育・人文社会系部門(総合グローバル), 講師 (80608753)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 学校支援ボランティア / 大学生 / 教員養成課程 / 実践的力量の形成 / 学生支援体制の構築 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では以下の3点について検討を行うことを目的としている。 1. 他のボランティア・プログラムとの比較を通してLife Partner Program (LPP)に特徴及び課題を吟味する。2. LPP参加経験による係わりのスキル,自己効力感,支援の捉え方の発達を検討し,LPPの効果及び課題を検討する。3. LPP経験学生と非経験学生の比較を通してLPPの効果及び課題を検討する。これらについ て,視察,インタビュー調査,質問紙調査等の方法により,多角的に検討を行う。 平成30年度は,上記2.と3.について行う計画であった。2.については,前年度ど同様に,活動を通した学びについての記述データの分析から,学生は具体的な子どもの姿と課題を捉えること,個々の子どもの特徴や状況に合わせた支援の方法について具体的に理解し実践することを学んでいた。3.については,LPP活動後1年たった学生2名にインタビューを行った。その結果,次のことが明らかになった。1. LPPを経験して、まず不登校についてのイメージが変化した。不登校とはこういうもの」という固定的な観念があったが、実際に不登校児と出会うと、それをひとくくりにはできないことが分かり、その多様性に気づくことができた。2. カンファレンスで言われたことや、適応指導教室の先生にいただいたアドバイスが、子どもと係わるときに役立ち、実際に、アドバイスを活かして係わり方を変えることで、上手く行くことが多かった。気がかりな子どもを支援するにあたって、一人で支援をするのではなく、カンファレンスや他の専門家を通してアドバイスをもらうことが、とても大切であること、いろいろな人に支えてもらいながら支援をしていること、に気が付いた。できれば、もっと早くからカンファレンスがあればよかった。3. 活動記録を付けることによって、児童に対する理解がより深まった。記録をつけることが、支援をすることに役立つことに気がついた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究課題3.LPP経験学生と非経験学生の比較を通してLPPの効果及び課題を検討することについては,当初計画を変更し,実際に教職に就いたLPP経験のある卒業生が実践の場においてどのような面でLPP経験を活かせているかについて検討を行うことにした。この変更は,当初計画と比較してより自然な実践の文脈におけるLPPの効果を検討するものであり,研究目的により合致した変更と考えられる。この変更に伴い,調査項目の修正を必要であったため,平成30年度は予備調査を行った。次年度においては,今年度得られた結果を踏まえて本調査を実施する。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は本研究の最終年度であり,研究課題2と3を実施する。研究課題2については,3年分のデータを集約し,LPPを通しての学生の力量形成の程度について測定する尺度を完成させる。また完成させた尺度を用いて3年分のデータの分析を行う。研究課題3については,実際に教職に就いたLPP経験のある卒業生が実践の場においてどのような面でLPP経験を活かせているかについて本調査を行う。 得られたデータを集約して分析し,成果報告を行う。
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Causes of Carryover |
(理由)研究課題3について使用する予定であった謝金及び旅費について,今年度は研究計画を変更して予備調査を行ったため,使用額が少なくなった。
(使用計画)次年度に研究課題3の本調査を行うため,調査に伴う謝金及び旅費,データ入力等の謝金として使用する。また,研究成果報告経費としても使用する。
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