2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K04076
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
丸野 俊一 九州大学, 人間・環境学研究科(研究院), その他 (30101009)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小田部 貴子 福岡工業大学, その他部局等, その他 (80567389)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 越境的説明力 / 文脈の多様性 / 俯瞰力 / 再帰的省察 / 自己他者モニタリング / 状況モニタリング |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の主目的は、越境的説明力を診断・評価する尺度構成とその妥当性を検証することであった。越境的説明力評価診断尺度の構成にあたっては、越境的説明を要する状況・文脈・課題特性を踏まえて、複数の構成コンポーネントを想定し、各構成コンポーネントについて複数の質問項目をリストアップした。 そのリストアップした項目からなる診断評価尺度の素案を構築し、その尺度で測定される得点と大学生を対象にした具体的な討議場面での説明行為の特性との関連を次のような視点から試みに分析した。説明行為の特性については、1)他者視点の取り入れ、2)状況・自己モニタリング、3)再帰的省察、4)異なる意見や考えの擦りあわせ、5)多様な視点の取り入れ、6)論の展開などに焦点を定めた。サンプリングデータが不十分であるために、精度の高い客観的データ分析までには至っていないが、データの集積並びに尺度構成の精緻化を高めていくことで、研究目的を十分に達成できる見通しは立っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
越境的説明力を必要とする必然性の高い、具体的な場面設定にもとに対話を繰り返しながら、一定期間、コラボレーションを繰り返す、適切な課題設定がまだ不十分である、また参加メンバーによって、その状況への心的参加度に温度差があり、どこまで、真摯に議論しているのか、他者視点を十分に考慮しているかを充分に把握できていない所に、大きな課題がある。ここが、今後改善していかねばならない主な理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究課題をスムーズに展開し、目的を達成するための今後の推進方策としては 1)客観性の高い越境的説明力診断評価尺度の構成に向けた質問項目等の精緻化、2)越境的説明力を必要とする必然性の高い文脈・課題設定、3)サンプリング数の増大、4)議論過程での定性的な説明行為内容の分析 などを主な課題として取り上げ・実施していく。
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Causes of Carryover |
「越境的説明力」測定診断尺度の開発にかかる調査のための質問紙作成および調査依頼に必要と考えていたトナー・用紙類を既存のもので賄い購入の必要がなかったこと、また通信をメールで効率的に行うことができたことにより、未使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
未使用分(25,267円)については、次年度実施予定の調査及び実験的研究に使用する材料お酔い書籍購入に充てる予定である。
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