2016 Fiscal Year Research-status Report
道徳的直感が判断に及ぼす影響と学校適応に関する日米比較研究
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15K04096
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Research Institution | Mukogawa Women's University Junior College Division |
Principal Investigator |
寺井 朋子 武庫川女子大学短期大学部, 共通教育科, 講師 (90521360)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高井 弘弥 武庫川女子大学, 文学部, 教授 (80290427)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 学校適応 / 道徳的感覚 / 日米比較 |
Outline of Annual Research Achievements |
2016年度は日米での調査を行うための、アメリカとのやり取りを本格化させられた。2016年度の成果は大きく2つある。1つ目はアメリカの研究者を学会に合わせて日本に招聘できたため、質問紙調査の実施等について具体的に議論できたことであり、もう1つはアメリカの研究者を含めて国際学会で発表できたことである。これらは、11月に愛媛大学で行われたJUSTEC(日米教員養成協議会)に合わせて実現することができた。 1つ目の成果については、JUSTECで発表する際、アメリカのゴンザガ大学からJohn Traynor准教授を招聘することができたことである。また、学会発表後に武庫川女子大学にお越しいただけたため、武庫川女子大学においてTraynor准教授との検討会を開催することができた。ここでは、日米調査を本格化させるための項目、日米の学校現場の様子、倫理審査等についての詳細を話し合うことができた。検討会には、共同研究者の武庫川女子大学教育学科の高井弘弥教授、研究協力者の同大学心理・社会福祉学科の河合優年教授も参加し、研究実施に関して多方面から議論がなされた。また、武庫川女子大学とゴンザガ大学は学長間におけるMOUを締結しているため、武庫川女子大学糸魚川直祐学長にもTraynor准教授をご紹介し、大学間における研究継続の確認がなされた。 成果の2つ目の国際学会発表については、これまで日本の小中学生に対して行ってきた短期縦断研究の結果について、武庫川女子大学・ゴンザガ大学のメンバーによってJUSTECにて共同発表を行った。これは、これまでに得られている4年間計8回分の質問紙調査の結果について、学校不適応になる前の兆候について分析したものであった。ここでは、不適応になる前にはクラスメイトからの承認・被侵害の得点が変動する可能性を示し、教員の継続的な関わりが必要であるとの考えを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度と同様に、日本の小中学校で実施したアンケート調査の結果については、整理・分析ができたものから、順に発表を行っている。また、ゴンザガ大学のTraynor准教授と対面での検討会を実現できたことにより、日米比較調査を行う際の具体的な項目の検討を進めることができた。 さらに、Traynor准教授から、ワシントン州で行った大規模調査の項目について教えていただいた。そこで示されたアメリカの子どものメンタルヘルスについての結果は、今回の調査研究に有益な情報であり、Traynor准教授の帰国後も項目内容の検討を続けている。
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Strategy for Future Research Activity |
日米比較研究ではあるが、アメリカの学校で調査を進める際に、日本での結果が明確である方が調査協力を得やすいと考えられるため、まずは、これまでの日本で行ってきた調査結果のみを用いて、論文化する必要があると考えている。 それと並行して日米比較するための項目を具体化し、調査を実施していく。Traynor准教授とお会いできたことから、ゴンザガ大学とのやり取りも問題なく行えている。
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Causes of Carryover |
国際学会への発表と研究打ち合わせのため、アメリカからの研究者の招聘を予定して旅費を計上していたが、日程の都合がついた研究者が1名のみ(ゴンザガ大学John Traynor氏)であった。このため、学会参加費や旅費が少なくなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
日本のデータを用いた論文化や日本語項目・英語項目の翻訳費用が必要になると予想される。また、2017年度のJUSTEC(日米教員養成協議会)の開催がハワイ大学であるため、昨年よりも旅費が多くかかることとなる。
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