2017 Fiscal Year Research-status Report
青年期の双極性障害における自傷行為の機序に関する研究
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15K04154
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Research Institution | Toyama University of International Studies |
Principal Investigator |
大平 泰子 富山国際大学, 子ども育成学部, 講師(移行) (00555188)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 国威 大阪人間科学大学, 人間科学部, 准教授 (20580913)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 自傷行為 / 信頼性 / 妥当性 / 性差 / 双極性障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
自傷行為に関する評価尺度であるDeliberate Self-Harm Inventory (DSHI)の日本語版について、その信頼性および妥当性について検討を行い、論文として発表した。 また、Deliberate Self-Harm Inventory (DSHI)日本語版の信頼性および妥当性の検討に際して収集したデータのうち大学生のデータだけを抽出して、自傷行為の経験率、経験した自傷行為の内容、初めて自傷行為を行った年齢について性別で比較検討を行った。これまでに自傷行為を経験していたのは、対象となった大学生のうち13.8%であった。女性で経験率がやや高い結果であったが、自傷行為の経験率において性別で有意な差は認められなかった。経験した自傷行為の内容は、「切る」が最も多く、次いで、「ひっかく」、「刺す」が多かった。初めて自傷行為を行った年齢は、最小値が8歳、中央値は13歳であった。今回のデータでは、男性で初発年齢が低い傾向がみられた。 昨年度には、自傷行為の有無および重症度、自傷行為に関連する要因などについて調査することを目的として、双極性障害患者と比較を行うために年齢と性別をマッチングさせた対照群のデータを収集した。自傷行為、解離症状、衝動性、抑うつ症状、躁症状、自閉症傾向などについて、分析を行っているところである。 さらに今年度は、経験した自傷行為の男女差、また、それぞれの自傷行為の関連の強さについて検討するため、対象者数を増やしてインターネット調査を実施した。今後、得られたデータの分析を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
自傷行為に関する質問紙の信頼性および妥当性の検討についての研究において、データの解析において適切な方法を比較検討するのに時間を要した。また、自傷行為の種類によって機序が異なる可能性が考えられるため、サンプルサイズを大きくして自傷行為の類似性や分類について検討する必要を感じ、研究計画の修正を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
双極性障害の患者を対象とした研究および自傷行為の種類に関する研究について、研究分担者との連携をより密にして、データの解析を早急に進めるとともに、論文等の形で発表したい。
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Causes of Carryover |
収集したデータの解析が遅れているため、その研究に関する翻訳・校閲や研究成果投稿等に関する費用の使用が発生しなかった。また、業務多忙等のため、研究分担者との打合せには、なるべく移動が生じないように通信機器を活用し、出張の費用を抑えられた。 次年度は、精神医学および心理学関連図書などの資料や、統計学的検討に使用するための統計解析ソフト最新バージョンなどの物品を購入する。また、研究成果発表のために、旅費や翻訳・校閲、研究成果投稿のための経費を使用する。
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Research Products
(2 results)