2016 Fiscal Year Research-status Report
近代日本における在外友好・学術交流団体形成過程の研究
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15K04257
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Research Institution | Hokuriku Gakuin University |
Principal Investigator |
辻 直人 北陸学院大学, 人間総合学部(子ども教育学科), 教授(移行) (70523679)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 日独交流史 / 独日協会・日独協会 / 在米日本人学生 / 在仏日本人留学生 |
Outline of Annual Research Achievements |
2016年度はドイツとフランスで史料調査を実施した。ベルリンでは国立公文書館に戦時下独日協会に関する関係史料が多数所蔵されており、今回は主要な史料について閲覧した。フランクフルトでは、元フランクフルト独日協会顧問のゲンプト氏夫妻と面会し、フランクフルトにおける日本とドイツの交流史について詳細に教示いただき、関連資料をいただいた。また、『忘却に抵抗するドイツ』の著者でフランクフルト日本人学校事務局長をされている岡裕人氏に特別に面会が許され、ドイツの歴史教育やドイツ人の歴史観について教えていただいた。ハイデルベルクでは、ハイデルベルク大学日本学科教授のマーティン・クレーマ氏及びハイデルベルク独日協会の研究をしている大学院生と面会し、同大学史料室に所蔵されている独日協会関係史料を閲覧させていただいた。改めてドイツと日本の交流について歴史的に追うことができ、特に今回は1940年代の日独交流の(特に政治的)背景について史料から知ることができた。 フランス調査はストラスブール市にあるバ・ラン県文書館と、ナント市にある外交史料館で実施した。バ・ラン県文書館では、ストラスブールがまだドイツ領だった頃のシュトラースブルグ大学学籍登録簿の確認を行い、日本人留学生の動静を多数確認できた。ナント外交史料館では、日仏交流機関の1つであるアテネ・フランセの戦前史料を閲覧でき、また、在米仏大使より1906年のサンフラシスコ日系人学童隔離事件についての詳細な報告書を発見することができた。 研究成果としては2015年度にイリノイ大学で収集した史料の分析をした研究ノートを研究紀要に公表し、研究会においても研究発表をした。同じく2015年3月にシカゴ大学で発見した史料を元に研究発表を行い、その史料を元にした論文及び史料紹介を執筆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
史料調査については順調に進めることができている。現地に行かねば分からなかった史料との出会いもあり、成果はあった。前年度までに収集した史料を用いた研究成果についても、新しい史料の発見により予想外の研究発展をすることができ、論文等にまとめることもできたので、おおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、イギリスを中心に史料調査を行い日英交流に関する史料状況について把握し、今後の研究の展開を展望する。また、これまで収集してきた史料を整理分析し、論文などの形で公表する。最終年度であるので、3年間の成果をまとめる。
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Causes of Carryover |
使用額に差額が生じた理由として、フランス調査旅費が予想よりも安く済んだことが挙げられる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後の調査旅費に充当する。また、研究成果をまとめて報告書を作成し印刷することも計画している。
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Research Products
(4 results)