2017 Fiscal Year Annual Research Report
Study on the organization of international friendship formed by Japanese students or sholars in modern era
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15K04257
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Research Institution | Hokuriku Gakuin University |
Principal Investigator |
辻 直人 北陸学院大学, 人間総合学部(子ども教育学科), 教授(移行) (70523679)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 在外日本人学生 / 学術異文化交流 / 世界的平和運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
アメリカ及びドイツ、フランス、イギリスにおいて史料調査を実施し、多くの貴重な史料を発見し、20世紀前半の在外日本人学生の動向を中心にした国際交流に関する新しい実態を明らかにすることができた。 アメリカにおいては、在米日本人学生ネットワークを明らかにするため、ワシントン大学日本人学生会やシアトル日系人に関する史料、イリノイ大学及びミネソタ大学ではYMCA関係及び日本人キリスト者学生会の史料、シカゴ大学においても後述する貴重な史料を閲覧し、研究成果として発表できた。 ドイツにおいてはベルリンやフランクフルト、ハイデルベルクで独日協会に関する史料及び現地研究者との交流を行った。フランスにおいてはナントの外交史料館でアテネ・フランセ関連史料他貴重な史料を閲覧し収集した。 これらの史料調査で特に大きな発見となったのが、シカゴ大学での成瀬仁蔵関連史料及びイリノイ大学での湯浅八郎関連史料である。成瀬仁蔵は1912年にアメリカで、自ら思い描いていた世界統一道徳基盤としての帰一協会を宣伝していた。日本発の世界的平和運動に共感したアメリカ人も多く、成瀬の宣伝活動にも協力的だった。今回シカゴ大学で発見された史料は、これまで知られていなかった成瀬のアメリカでの帰一協会宣伝の一端を知る史料であり、とても貴重な発見となった。 また、湯浅八郎は国際主義的交流をイリノイ大学留学中YMCAの活動より経験し、帰国後もキリスト教を基盤として国際主義、自由な教育を目指した。しかし、軍部との対立より同志社総長を辞任しなければならず、戦時中はアメリカで在米日系人の慰問等をしていた。国際的機関としてYMCAが、国際親善に貢献していた実態を湯浅ら学生の動向を史料から掘り起こすことができた。戦前期の日米、日独、日仏、日英それぞれの文化学術交流や国際団体の動向について調査し、その一部を成果として公表することができた。
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Research Products
(7 results)