2016 Fiscal Year Research-status Report
多言語環境に育つ子どもの言語発達の視点から見る幼児教育の日独比較
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15K04280
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
立花 有希 宇都宮大学, 国際学部, 講師 (60736198)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 あおい 大阪教育大学, 国際センター, 准教授 (00343260)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 移民の子ども / 第二言語習得 / 学習言語 / 就学前教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、前年度のドイツでの調査結果に基づいた学会発表および論文投稿を行った。学会発表時に受けた質問、論文投稿時に得た査読コメントに示唆を得て、研究課題の再検討を行った。その結果として、就学前ドイツ語教育の成果に関わる分析、就学前から就学後にかけての「学習言語」理解の連続性の解明等が新たな課題として加わった。前者については、ノルトライン=ヴェストファーレン州での取組に着目し、現地調査を行った。具体的には、同州で新たに運用されている就学前ドイツ語発達調査の体制について担当部局で説明を受けた後、その評価プロジェクトを担うボッフム大学のLeyendecker教授に評価方法に関するインタビューを行った。 一方で日本国内調査に関して、保育あるいは日本語教育の専門家と複数回の意見交換の機会を設け、最終年度に実施する国内調査の枠組みを検討した。その際、ハイデルベルク大学が就学前ドイツ語教育のために開発した教材"Deutsch fuer den Schulstart"(入学に向けたドイツ語)を参照し、同様の教材を日本語で開発する可能性を探った。2017年3月のドイツ調査時には、同教材を使用する教員が対象の研修会に参加し、具体的、実際的な活用方法に触れた。日本語での教材を開発するためには、日本語が母語でない幼児の言語発達上の課題についての研究が基礎となるが、そのような研究はまだ十分でない。そのため、"Deutsch fuer den Schulstart"のような体系的、網羅的な教材開発は困難だが、いくつかのポイントに絞って、実験的に開発することを予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ドイツ調査に関しては目標をほぼ達成し、国内調査についても協力先が得られる見通しであるため
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Strategy for Future Research Activity |
ドイツにおける取組に照らして、移民の子どもに対する日本語教育が抱える具体的課題を指摘し、その改善に向けた提言を行う。
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Causes of Carryover |
国内調査が予備的段階にとどまり、物品購入、謝金等が発生しなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
国内調査で必要となる翻訳謝金や記録用機材等に使用する。
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Research Products
(4 results)