2018 Fiscal Year Annual Research Report
"The Life Needs Experience Learning" leads to learning of children and parents as "Developmental Assets"
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15K04309
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
永田 誠 大分大学, 教育学部, 准教授 (50435369)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上野 景三 佐賀大学, 学校教育学研究科, 教授 (30193824)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 生活体験 / 発達資産 / 幼児の育ち / 親の学び / 地域家庭教育支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は,前半期に,実践分析調査の分析ならびに研究成果報告を進めた。実践分析調査の成果は,日本生活体験学習学会第20回研究大会で学会報告を行い,クラス別保護者懇談会における親の「語り」から,子育てにおける親の「学び」を質的に考察した。 本調査で得られた知見としては,①親の「語り」は,日常における子どもの姿をもとに語られることから,発達状況や生活課題との関連があるとともに,親自身の「見取り」による子ども理解を前提とした意識的・意図的な選択が行われている,②保護者懇談会は,日頃感じている子どもの気になる姿について,親自身なりの子どもの「見取り」を確認する場であるとともに,保育者の見解や助言から自らが抱く悩みの改善を図る機会となっている,③保護者懇談会は,親自身の子育てに関する悩みを表出する自己開示の場であるとともに,同様の悩みや経験を有する「仲間」としての共感や連帯を生み出す場となっている,の3点であった。 この報告内容は,同学会誌『生活体験学習研究』第19号(印刷中・2019年7月発刊予定)へ投稿した。 後半期には,①研究成果報告書を作成・発刊と②研究協力園における成果報告会の開催に取り組んだ。①研究成果報告書は,これまでの研究成果に大幅な加筆・修正を行うとともに,新たな論考も加え再構成し,2019年2月に発刊した。報告書は,研究協力園ならびに同分野の研究者等へ送付した。②成果報告会は,これまで研究協力を得た3園において園内研修の一環として開催した。 本研究全体を概観すると,原理的理論研究,質問紙調査,実践分析調査の調査研究から,「子育て」における生活体験は,子どもと親の体験の集積にとどまらず,「発達資産(Developmental Assets)」を形成する機能であり,「形成と教育」における育ちを「統御」する意図的な働きかけ(教育)の共通要素として位置づくことが示唆された。
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Remarks |
・研究成果報告書:永田誠・上野景三・大村綾・菅原航平『「子どもと親の学びを生み出す発達資産としての生活体験を育む「地域家庭教育支援」」基盤研究(C)15K04309 (平成27-30年度) 研究成果報告書』2019.2. ・研究成果報告会:こども園(佐賀市)11月30日,保育園(宗像市)12月6日,こども園(中津市)1月17日
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Research Products
(6 results)