2015 Fiscal Year Research-status Report
トランスナショナル高等教育と多国籍大学の展開に関する国際比較研究
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15K04358
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
杉本 均 京都大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (50211983)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南部 広孝 京都大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (70301306)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | トランスナショナル高等教育 / 多国籍大学 / 海外分校 / 国際遠隔教育 / 価値教育 / 宗教 / 留学 / 学位 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はトランスナショナル高等教育および多国籍大学における、現地の国家的価値や宗教・社会的イデオロギーの影響について基本的情報の収集を行った。特にホスト国とプロバイダー国の価値の衝突の可能性について、その実態と対応、それらを克服する概念的枠組みの可能性について、文献調査を実施した。 現地調査としては、カリブ海の多国籍大学である西インド諸島大学(University of West Indies)の中核キャンパスであるジャマイカ校を訪問し、人文教育学部所長のス汰ッフォード・グリフィス(Stafford Griffith)教授ほかに面談し、あわせて大学の見学を行った。その結果、多国籍大学の管理運営システムやキャンパス間の学生・教員の移動、教育の質の水準の確保の問題などが明らかになった。 国内調査としては、ウラジオストクに本部がある、ロシア極東連邦総合大学の函館分校を訪問し、校長のイリイン・セルゲイ(Ilin Sergey)氏ほかと面談し、函館に分校を設置した理由、留学などのキャンパス間交流プログラムや学生の進路などについて情報を収集した。また京都大学との交流なども含めて、来年度の本校訪問調査の準備も行った。 科研の研究分担者・連携研究者との打ち合わせを7月27日に京都大学において行い、研究の基本的推進方針や共通の調査項目などについて確認した。また中国およびインドのトランスナショナル高等教育の価値教育プログラムなどについての情報交換を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
海外の多国籍大学1校の訪問と国内の海外大学の分校1校を訪問調査し、文献研究も予定どおり進行している。ただし、西インド諸島大学のジャマイカ分校の現地調査を別資金により行ったため、海外調査1回分の予算の執行が次年度にまわされたのでその分の執行は会計上計画より遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度はこれまでの文献調査で得られたトランスナショナル高等教育および多国籍大学の情報をもとに、現地調査を本格的に推進する。具体的には3件の海外調査を予定している。 (1)5月にヨーロッパ(EU)域内でのトランスナショナル高等教育の実例としてユニークな、ラトビアのリガにあるストックホルム経済大学リガ分校を訪問する。 (2)9月には、昨年度訪問した函館分校の本校である、ウラジオストックのロシア極東連邦総合大学を訪問して、ロシアのトランスナショナル高等教育の展開の状況を調査する。 (3)また11月には別資金で、南アジアの多国籍大学であるSAAC大学のインド校を訪問して、その展開の状況や課題について調査する予定である。
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Causes of Carryover |
予定していたジャマイカ調査が、本科研ではなく別資金で行うことになったことと、第2年度に海外現地調査の計画がやや集中することになったため、次年度使用予算が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度の海外現地調査で予定どおりの予算執行にもどると予想される。研究代表者として現地調査はラトビア・リトアニア(5月)、ロシア(9月)、インド(11月)を予定している。研究分担者ではロシア(南部)、中国(南部)、連携研究者ではインド(小原)などを予定している。
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