2017 Fiscal Year Annual Research Report
A Comparative Study on the Development of Trans-national Higher Education and Regional Universities
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15K04358
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
杉本 均 京都大学, 教育学研究科, 教授 (50211983)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南部 広孝 京都大学, 教育学研究科, 教授 (70301306)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | トランスナショナル高等教育 / 海外分校 / 国際通信学位 / 多国籍大学 / 地域大学 / 留学 / 社会主義 / イスラーム |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は昨年度に続き、トランスナショナル高等教育の展開における海外分校を中心とした、地政学的背景と現地国内規制、並びに文化的・宗教的要因の与える影響について、情報の収集と国際潮流の分析を行った。全体的な展開の現状としては欧米大学の分校がイスラーム圏に設置された場合、欧米の経済学部等が旧社会主義圏に分校を設置した場合の、ホスト国家側からの規制や法規の現状について調査を行った。 トランスナショナル高等教育の世界的動向については、海外分校の設置に限れば、北アメリカからアジアへの進出が47件、ヨーロッパからアジアへの進出が55件で最も大きく、ロシアやオーストラリアからの進出はそれぞれ15件と13件となっていた。また欧米内での北アメリカからヨーロッパへの展開も24件とかなり確認された。具体的な現地調査としては、クロアチアのロッチェスター大学分校、ストックホルム経済大学のリーガ(ラトビア)分校、中国の内外協力による大学運営の実態についても調査を行った。 多国籍大学の展開に関しては、南太平洋大学、西インド諸島大学、南アジア大学などがあげられるが、これら地域大学が国家を超えた共同体によって運営され、各国にはその分校が置かれるものの、大学はその設立当初から加盟する国家規模を越えており、学生の分校の移動がそのまま海外留学に相当する事例である。本研究ではこのような多国籍大学(地域大学)の特徴と経営上の利点、さらに内部学生と域外からの留学生との関係について考察を加えた。
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