2015 Fiscal Year Research-status Report
移民第二世代の母語・継承語の資産性に関する国際比較研究
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15K04379
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
拝野 寿美子 神奈川大学, 人間科学部, 非常勤講師 (30747001)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 在外ブラジル人 / 継承語としてのポルトガル語 / ブラジル女性移住者 |
Outline of Annual Research Achievements |
2015年度は海外調査を2回、国内調査を1回実施した。海外調査では関係者との幅広い交流ができただけでなく、2016年度、2017年度に行う調査方針を決定するにあたっての、有効な回路を得ることができた。 2回の海外調査は5月に行った米国における調査と10月のドイツにおける調査で、いずれも継承語としてのポルトガル語教育実践者の集いであった。ここでは、会議内容を詳細に記録し研究者や実践者との意見交換を行ったたほか、10月の会議では会議参加者へのアンケート調査も実施することができた。 国内調査は予算不足により3月に私費で行った群馬県大泉町の調査1回にとどまった点が、残念であった。 文献調査についても、5月の海外調査で得た新刊文献をはじめとして必要な文献の収集が3割程度進んでいる。不足分については、2016年度予算で補充する予定である。 2015年度の研究成果は、3誌に様々な形態で掲載となっている。2015年10月のPortuguese Language Journalに査読付き論文が、2015年12月には上智大学イベロアメリカ研究所紀要に関連文献の書評が、2016年3月には神奈川大学教職課程紀要に2回の海外調査を踏まえた論考が研究ノートとして掲載させた。さらに、所属する学会の研究誌にも2015年3月末に研究論文として投稿している(現在査読結果を待っている状況)。2015年10月の海外調査の折りには、これまでの研究成果のポスター発表を行い、2016年6月開催予定の日本移民学会年次大会では個人による口頭発表を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」にある通り、初年度の調査として予定していた海外調査を実施することができ、多くの知見を得ることができた。 海外調査、文献調査等で得られた研究成果は既に3誌に掲載されており、1誌は投稿中である。口頭発表もポスター発表を海外で既に1回行っており、2016年6月には国内学会の年次大会において口頭発表の許可を得ている。
今後の課題として、海外・国内調査の充実、外国語でのさらなる成果発信が必要と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
「現在までの進捗状況」にある通り、海外・国内調査の充実、外国語でのさらなる成果発信が必要となる。 具体的には、研究タイトルである母語・継承語の具体的な学習者(ブラジル人移住者の子どもおよび青年)との具体的なコンタクトがとれていないため、2016年度はこの点に焦点を絞って調査を進める予定である。国内については、欧米諸国の「継承語としてのポルトガル語教室」との比較研究にあたり、「ブラジル人学校」ではない「ポルトガル語教室」の調査を進める予定である。2016年6月にすでに大阪の「ポルトガル語教室」への調査が決まっている。
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Research Products
(5 results)