2017 Fiscal Year Annual Research Report
A Sociological Study on the Treatment of Children in the "Gray Area" Through Comparison between Japan and the UK
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15K04381
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Research Institution | Kinjo Gakuin University |
Principal Investigator |
原田 琢也 金城学院大学, 人間科学部, 教授 (10707665)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 好孝 滋賀県立大学, 人間文化学部, 助教 (20458730)
高橋 眞琴 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (30706966)
佐藤 貴宣 京都大学, 大学院人間・環境学研究科, 特別研究員(PD) (50737070)
堀家 由妃代 佛教大学, 教育学部, 准教授 (80411833)
林 美輝 龍谷大学, 文学部, 准教授 (80547753)
三好 正彦 大阪女子短期大学, その他部局等, 助教 (80600072) [Withdrawn]
濱元 伸彦 京都造形芸術大学, 芸術学部, 講師 (10770711)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | インクルーシブ教育 / 特別支援教育 / 特別な教育的ニーズ / SEN / 比較教育学 / 特別なニーズ教育 / 統合教育 / マイノリティ教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題研究では、関西の公立学校でのフィールド調査とイギリスを中心にした海外調査を併行して行い、双方を比較しながら研究を進めてきた。 国内調査は5つの学校を調査してきたが、平成29年度にそれぞれの担当者が蓄積してきた知見をまとめ、「インクルーシブ教育の到達点― 関西圏の実践から 」という標題の論文として公開した(『金城学院大学論集・社会科学編』第14巻第2号)。調査からは,以下の点が明らかにされた。第一に,学校現場では眼前の課題に対処しなくてはならないことから,「分離主義」「二元論」といった日本の特別支援教育の制度的課題を超克する先行的な実践が取り組まれていたこと。第二に,「原学級保障」が採用されている4つの学校では,集団と個をめぐる葛藤が顕在化していたが,同時にそれが学校改革の原動力ともなり得ることが示されたこと。第三に,教師の負担を緩和するための方途として,教員や支援員の増員の必要性とともに,協働のシステムを構築していくことの必要性も示唆されたことである。 一方、海外調査では、平成28年度末に行ったロンドン・ニューアム区の調査の成果をまとめ、「ロンドン・ニューアム区の学校のインクルーシブ教育実践(Ⅱ)―個のニーズへの対応と集団への包摂の両立を目指して」という標題の論文として公開した(『金城学院大学論集・社会科学編』第13巻第1号)。調査の結果,徹底的ニーズに即応した差異的処遇が行われる反面,集団を通して個と個をつなぎとめ,レジリエンスを高めるニューアム区のインクルーシブ教育の特徴が明らかになった。調査を通して、イギリスのSEN概念を主軸にした一元的なシステムにも課題があることが見えてきたので、それを補う方法として、多元的システムを持っているオーストラリア・クイーンズランドにも注目し、調査を実施した。オーストラリア調査の成果は、現在、論文にまとめているところである。
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Research Products
(8 results)