2016 Fiscal Year Research-status Report
21世紀を生きる人材育成を指向したESDとしての音楽科カリキュラムと授業実践開発
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15K04434
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Research Institution | Nara University of Education |
Principal Investigator |
宮下 俊也 奈良教育大学, 教育学研究科, 教授 (50314521)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
臼井 学 国立教育政策研究所, その他部局等, 教育課程調査官 (00739427)
津田 正之 国立教育政策研究所, その他部局等, 研究員 (10315450)
劉 麟玉 奈良教育大学, 教育学部, 准教授 (40299350)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ESD / 音楽科教育 / 授業実践 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、本研究の最終目的「ESDとしての音楽授業実践ガイドブック」作成に向け、①昨年度に引き続きESDとしての実践的情報収集、②実践者との協同による実践プランの立案と実施、③これまでの研究知見の提供、を行った。 ①については、金沢大学附属中学校、大阪市立北津守小学校、福山市立中学校、広島市立小学校、宮崎大学附属中学校、川越市立大東西中学校等から実践的知見を収集した。 ②については、大阪市立北津守小学校における「世界に一つだけのチャイムをつくろう」の実践プランをESDの視点から作成し、実践、検証を行った。本実践は、1学年から6学年までのたてわりによる教科指導として新規性のあるものである。また、そこで創作された「チャイム」は、現在、同校で実際に使用され、「音楽づくり」の学習経験や成果が、生活に生きて働くものとなっている。このことは児童、教職員、保護者、学校周辺の地域住民にとっても「子どもたちが創った音楽」として、喜びにつながっている。 ③については、学習指導要領改訂に向けた中央教育審議会芸術ワーキングにおいて、持続可能な社会創造に向けた音楽科教育の必要性について知見を提供した。また、同中教審答申の内容について、ESDの観点から実践者に向けての解説を論考として提出し、出版された。また、広島市小学校音楽教育研究会、宮崎県中学校音楽教育研究会、関東音楽教育研究会埼玉大会等で、ESDとしての音楽科授業づくりについてこれまでの研究知見を提供した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度の研究目的「カリキュラムの原案作成」は、教育現場の実践者を研究協力者として委嘱し、順調に検討が進んでいる。 予定していた学会での中間発表はできなかったが、ESDとしての授業のつくりかたについては、新学習指導要領改訂に伴って、論考として複数執筆し世に出すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は本研究の最終年度となる。最終目的として作成する「ESDとしての音楽授業実践ガイドブック」は、新学習指導要領との密接な対応が必須となる。新学習指導要領で求められている持続可能な社会創造に寄与する人材育成として、音楽科教育はどのように貢献できるのかを整理し、その上で「ガイドブック」に掲載する題材と具体的な実践プランを研究協力者、分担者とともに開発していく。
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Causes of Carryover |
研究代表者が、平成27年10月1日に理事・副学長に就任したことに伴い、予定していた海外出張が実現できなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度に海外出張を実施するか、不可能な場合は「ガイドブック」の出版支出に当てる。
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Research Products
(3 results)