2017 Fiscal Year Research-status Report
世界農業遺産のESD教材開発を通したESDの視点に関する研究
Project/Area Number |
15K04498
|
Research Institution | Nara University of Education |
Principal Investigator |
中澤 静男 奈良教育大学, 教育連携講座, 准教授 (80613710)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 久雄 奈良教育大学, 教育学部, 教授 (40135827)
田渕 五十生 福山市立大学, 教育学部, 教授 (10179864) [Withdrawn]
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 生産者・消費者・地球環境にとっての「豊かさ」 / 世界農業遺産の多面的利活用 / 農業の外部効果 / 事業化を通した環境保全 |
Outline of Annual Research Achievements |
世界農業遺産「清流長良川の鮎」と「阿蘇の草原の維持と持続的農業」の現地調査を行った。また、研究協力者と定期的な勉強会を開催し、農業の現状と課題の把握と、持続可能な農業に関する検討を行ってきた。4月20日、6月22日、7月27日、8月30日、9月13日、10月16日、11月21日。使用したテキストは、『食卓から地球環境が見える』湯本貴和、昭和堂、2008年と『農業がわかると社会のしくみが見えてくる』生源寺眞一、家の光協会、2010年、である。 また、小学校5年生社会科の「これからの食料生産」単元において「これからの食料生産とわたしたち― 生産者もわたしたちも,そして地球も豊かになるために ―」の学習指導案を作成し、奈良市立飛鳥小学校において、授業実践を行ったうえ、2018年2月12日に開催された日本ESD学会近畿地方研究会において、「豊かさに焦点を当てた持続可能な社会の創り手を育成する社会科ー小学校5年生社会科「これからの食料生産」を題材にー」、「ブランド化に着目した世界農業遺産の単元開発ー世界農業遺産「清流長良川の鮎」を事例としてー」のを口頭発表を行った。 さらに、それぞれの研究成果をまとめ、『次世代教員養成センター研究紀要』第4巻に投稿し、収録されている。「豊かさに焦点を当てた持続可能な社会の創り手を育成する社会科ー小学校5年生社会科「これからの食料生産」を題材にー」大西浩明・山方貴順・祐岡武士・山下欣浩・中澤静男『次世代教員養成センター研究紀要第4巻』奈良教育大学次世代教員養成センター、2018年、pp.35-44、「ブランド化に着目した世界農業遺産の単元開発ー世界農業遺産「清流長良川の鮎」を事例としてー」山方貴順・中澤静男・大西浩明・祐岡武志、『次世代教員養成センター研究紀要第4巻』奈良教育大学次世代教員養成センター、2018年、pp.103-111
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者である中澤の健康状態の悪化が原因である。2016年7月に糖尿病、9月の定期健康診断で胃ガンが見つかり、11月30日に市立奈良病院で胃の全摘手術を受ける。2017年1月よりTS-1による化学療法による治療を続けるが、5月に肝臓への転移が見つかる。シスプラチン・ハーセプチンの点滴及びゼローダの服用による化学療法に切り替え、7回の入退院を繰り返した。現在は、肝臓に転移した胃ガンは15ミリまで大きくなっており、今後、兵庫県立粒子線医療センターにて、陽子線治療を受ける予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまで、日本にある世界農業遺産では、「トキと共生する佐渡の里山」「能登の里山里海」「阿蘇の草原の維持と持続的農業」「クヌギ林たため池がつなぐ国東半島・宇佐の農林水産循環」「清流長良川の鮎」において現地調査をおこなった。また海外の世界遺産としては、韓国「済州島の石垣農業システム」で調査を行った。 日本の世界農業遺産登録地域は、研究開始時には8カ所であったが、現在は11カ所となっている。まだ未調査の世界農業遺産のいくつかを調査すると共に、研究成果を冊子にまとめる。また、2019年3月を目途に、世界農業遺産と持続可能な開発目標、持続可能な開発のための教育をテーマとしたシンポジウムを奈良で開催し、研究成果を広く発信する予定である。
|
Causes of Carryover |
研究代表者である中澤が、2016年11月に胃ガンによる胃の全摘手術を受けたが、2017年5月に肝臓への転移が見つかり、2017年度中にシスプラチン・ハーセプチンの点滴治療、及びゼローダの服用による化学療法のため、7回の入退院を繰り返したため、研究に遅れが生じ、研修を完了することができなかったため、1年間の延長を申請した。 今年度は最終年度として、まだ調査していない国内のいくつかの世界農業遺産を現地調査すると共に、研究成果を冊子にまとめ、世界農業遺産・持続可能な開発目標・持続可能な開発のための教育をテーマとしたシンポジウムを開催する。現地調査やシンポジウムのための旅費、会場費、及び冊子制作費として使用する予定である。
|