2018 Fiscal Year Annual Research Report
Research on the viewpoint of ESD through the development of ESD teaching materials for Globally Important Agricultural Heritage Systems
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15K04498
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Research Institution | Nara University of Education |
Principal Investigator |
中澤 静男 奈良教育大学, 教育連携講座, 准教授 (80613710)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 久雄 奈良教育大学, 学長, 学長 (40135827)
田渕 五十生 福山市立大学, 教育学部, 教授 (10179864) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 生産者・消費者・環境にとっての「豊かさ」 / 生物多様性による減農薬 / 農業の基本的価値 / 経済活動を通した環境保全 / 減化学肥料による水質の保全 / 水量の保全 |
Outline of Annual Research Achievements |
2015年に国連において採択された持続可能な開発目標(以下、SDGs)の第2目標は「飢餓の解消と持続可能な農業の推進」であり、世界的に人口増加傾向にある現在、貧困を撲滅し、飢餓を解消するために持続可能な農業の推進が求められている。日本においても、食料自給率(カロリーベース)が39%と低く、農業従事者の高齢化と耕作放棄地が広がる中、持続可能な農業システムの構築は喫緊の課題である。 一方、世界農業遺産は、世界的に重要かつ伝統的な農林水産業を営む地域(農林水産業システム)を、国際連合食糧農業機関(FAO)が認定する制度である。つまり、世界農業遺産認定地域は、持続可能な農業の実践地域であるととらえることができる。 本研究は、持続可能な農業システムとして主に日本の世界農業遺産をESDの観点からとらえ直し、教材開発を行うことを通して、農業の持つ意義を持続可能な社会づくりの観点から明らかにすることと、ESD教材開発方法を広き公開することを目的としている。 研究実績としては、2つある。1つは、農業の意義を経済だけでなく多角的にとらえることを目的に、研究協力者と共に27回の資料講読会を開催し、農業や食についての基本的研究を行い、その詳細は、奈良教育大学が近畿地方におけるESD推進を目的に組織している「近畿ESDコンソーシアム」のウェブサイトで広く公開している。もう1つとして、日本の世界農業遺産認定地域を中心に調査・見学を実施し、持続可能な農業システムの共通点の抽出を行った。 最終年度には、研究成果を広く公開することを目的に、2019年2月10日に奈良教育大学において「世界農業遺産のESD教材開発を通したESDの視点の研究シンポジウム」を開催し、自らの地域の農業の持続可能性を検討する視点やSDGsの目標との関連についてディスカッションすることができた。
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