2016 Fiscal Year Research-status Report
21世紀型能力育成と高校改革をめざす高校総合学習の総合的研究
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15K04517
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Research Institution | Musashi University |
Principal Investigator |
和井田 清司 武蔵大学, 人文学部, 教授 (50345542)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮下 与兵衛 首都大学東京, 大学教育センター, 特任教授 (50714804)
高橋 亜希子 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (90431387)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 総合学習 / 高等学校 / 学校改革 / 事例研究 / 学校参加 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究実績は、以下の通りである。 第1は,中規模県学校質問紙調査の結果、高校総合学習の実践状況として、①テーマは多様な形で定着,②専門学科・総合学科は課題研究が中心,③「進学校」では進学のための学習時間にする場合が少なくない、などが指摘できる。2016年度において、文科省通知をうけ18歳選挙権に対応する主権者教育をテーマとしている高校が急増している。 第2は,大学生質問紙調査の結果,①高校総合学習の印象が希薄なこと、②教科学習が全体として受動的な形態が多いこと、③生徒の主体的な活動が少ないこと,などが見えてきた。高校の総合的な学習の時間の意義と共に、現在、高校がどのような教育支援の場所になっているのかについて考えることが重要である。 第3は,高校訪問調査である。①A高校(北海道・市立)―道立高校としての廃校の危機をむかえ,市長以下の行政の支援を受けつつ,食を特色とした市立校として再生。②B高校(兵庫・県立)―全国初の環境防災科を設置。震災に詳しい行動的な市民を育成することが理念。カリキュラム開発の知恵として,学校設定教科・科目の自在な配置によって専門性を担保。③C高校(東京・私立)―1970年代半ばから20年以上にわたり,高校生が社会的矛盾(および可能性)の集中的に発現する地域に赴き、現地調査をふまえてルポを発信。高校総合学習の先行実践として典型的な事例。④D高校(東京・私立)―総合学習は,1年「性と生」2年「平和」3年「人権」のテーマで構成。カリキュラム開発・ツール活用・指導者間のネットワーク(協働)に配慮されており、効果を発揮。各高校の個別具体的な改革状況を知り、内発的な学校改革における普遍的にして個性ゆたかな学校文化の創造を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定した研究課題については、ほぼ計画通りに進行し、特に支障は生じていない。
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Strategy for Future Research Activity |
制度的研究では、現在進行中の学習指導要領改訂の動向に注目したい。質問紙調査(学校調査・大学生調査)は、最終的な分析・提言をまとめる。訪問調査は事例研究として論文化する。それらを含め、2017年度中に研究成果を冊子として刊行する。
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Research Products
(4 results)