2017 Fiscal Year Annual Research Report
Study of assessment system for writing by students with hearing impairments
Project/Area Number |
15K04544
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
澤 隆史 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (80272623)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 聴覚障害 / 作文 / 評価 / 日本語力 / 指導 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、聴覚障害児の書いた文章の計量的分析結果と教員による評価結果との関連性を分析し、聴覚障害児の書く力の評価方法を開発することを目的としている。平成29年度は、以下の2点について分析・検討を行った。 (1)聾学校児童および生徒が書いた計187編の作文を対象に、50項目の言語要素についての使用頻度や使用割合等の測定した後、それらを変数とした因子分析を行い言語要素の使用に関する因子構造を分析した結果、8つの因子が抽出された。各因子の因子得点に基づき作文を6つの群に分類し、各群で典型的な特徴を有する作文について、学習指導要領国語科編での「書く」における指導観点に基づく4つの観点から印象評定による評価を行った。その結果、作文で使用される言語要素は、幾つかの因子によってカテゴライズし集約することができること、言語要素の使用の特徴から、作文の特徴を分析し分類することができること、言語要素の使用傾向を分析することで、印象評定による記述や表現に関する評価結果を推測できることが示唆された。 (2)(1)で対象とした作文について、平成28年度の研究で明らかとなった評価の7つの観点について大学生による印象評価を実施した。印象評定における総合評価について、言語要素の8つの因子の因子得点に基づき、決定木分析を行い、評価観点を階層的に分析した。その結果、作文の評価は、基本的に文法力と語彙力を基本とし、そのうえで文の長さや複雑さなどの要因によって詳細に段階づけられていることが示唆された。この結果から、作文評価シートの提案を行った。 以上のうち、(1)については、日本特殊教育学会第55回大会および論文にて発表を行った。なお(2)については平成30年度に論文にて発表する予定である。
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