2015 Fiscal Year Research-status Report
特別支援学校に通うASD児に対する作業療法士のコンサルテーション・モデルの開発
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15K04577
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Research Institution | Kansai University of Welfare Sciences |
Principal Investigator |
倉澤 茂樹 関西福祉科学大学, 保健医療学部, 准教授 (40517025)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大歳 太郎 関西福祉科学大学, 保健医療学部, 教授 (40336483)
福井 信佳 関西福祉科学大学, 保健医療学部, 准教授 (50727708)
立山 清美 大阪府立大学, 公私立大学の部局等, 講師 (70290385)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 作業療法士 / 栄養教諭 / 担当教諭 / 協働 / 摂食 / 行動障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、作業療法士と栄養教諭・担任教諭が児童生徒の食や食に関する行為について、個別的指導計画を作成し、実施することで,生徒児童にどのような効果が生じるかを検討することを目的とする。書面により、保護者および学校の同意が得られた児童生徒および栄養教諭を本研究の対象者とした。まず、作業療法士は栄養教諭に対し、介入ための基礎的な知識に関する講習会を2日間、合計8時間の研修会を実施した。教授した内容は発達障害児に認められる食に関する行動障害とそのメカニズム、アセスメント方法、介入方法(環境調整、応用行動分析アプローチ、感覚統合アプローチ)である。その後、栄養教諭が収集した対象児童生徒について作業療法士と栄養教諭によってディスカッションを行い、目標設定および介入方法に関する個別支援計画案を作成した。その後、栄養教諭が担当教諭らと協議し、より現実性の高い個別支援計画を完成してもらい、個別支援計画に元基づいた指導を実施した。また、介入中、希望があった場合、一度限り作業療法士が訪問し、児童生徒を観察評価した上で個別支援計画の修正をアドバイスした。結果、対象児童生徒の行動障害としての重症度はより重度になっていたが、目標の達成度に関しては、半数が改善をし、その他は予想された範囲以内の改善にとどまった。本研究より、作業療法士と栄養教諭が協働することによって食に関する行動障害が改善することが示唆された。一方で、学校生活全体における行動障害は改善していないことから、今後は担当教諭も含めたコンサルテーションモデルを検討する必要があると示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初、特別支援学校・学級に依頼し、コンサルテーションモデルの開発を行う予定であった。しかし、公的機関より栄養教諭に対する継続的な研修の依頼があり、早い段階でパイロットスタディが実現できた。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、解析が終了し、論文を執筆する段階に入っている。また、同時並行的にサンプル数を増やした本格的な臨床試験に着手する予定である。
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Causes of Carryover |
公的機関より栄養教諭の研修会の講師を依頼されることになり、研究のためのフィールド調査が大幅に省略できた。それにより、出張旅費に関する出費を抑えることが出来た。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記の理由によりパイロットスタディが早期に実現できた。現在論文を執筆しているが、同時進行的に大規模サンプルによる介入研究を企画している。大規模な調査が可能になることにより、フィールド調査による出張旅費、調査協力者への謝金に経費が必要となっている。
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Research Products
(4 results)