2016 Fiscal Year Research-status Report
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15K04809
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
萩田 真理子 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 准教授 (70338218)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 離散数学 / 印象評価 / 暗号 / 符号 / グラフ / 彩色 / 誤り訂正符号系列 / m系列 |
Outline of Annual Research Achievements |
暗号、符号、擬似乱数への代数学の応用研究を行った。具体的には、相互に関係の深い以下の3種類の研究を進めた。1.暗号と擬似乱数アルゴリズムの開発と評価、2.シミュレーションのためのグラフの分散彩色アルゴリズム及び分散彩色多項式、3.誤り訂正符号系列の存在性と電子署名への応用。 1.暗号と擬似乱数アルゴリズムの開発と評価についてはAESの安全性の評価方法についての研究を進め、擬似乱数を追加することで安全性が高まることの統計的検定により評価し、2016年12月に応用数学合同研究集会と2017年3月の応用数理学会研究部会連合発表会で「関数選択を用いた暗号化の乱数性の評価」(共著)を発表した。 2.シミュレーションのためのグラフの分散彩色アルゴリズム及び分散彩色多項式、については、予定していた理論研究にとどまらず、その成果の応用可能性を探る研究を進めて2016年12月に応用数学合同研究集会で、「ペアの円順列での同要素の最短距離について」(共著)、組合せ構造の印象評価への応用を提案する「グラフ彩色を用いた写真選出手法」(共著)を、2017年3月の応用数理学会研究部会連合発表会で「印象評価における比較順序の提案」(共著)、「印象評価への組合せ構造の応用」(共著)を発表した。 3.誤り訂正符号系列の存在性と電子署名への応用については、2017年3月の応用数理学会研究部会連合発表会で「有限体上の誤り訂正符号系列の存在条件について」(共著)を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り暗号、符号、擬似乱数への代数学の応用研究を行い、おおむね順調に進展している。具体的には、相互に関係の深い以下の3種類の研究を進め、それぞれに関連する期待していた研究成果が得られ、研究集会で新しい結果を発表することができた。 1.暗号と擬似乱数アルゴリズムの開発と評価、2.シミュレーションのためのグラフの分散彩色アルゴリズム及び分散彩色多項式、3.誤り訂正符号系列の存在性と電子署名への応用。 特に2については予定していた理論研究にとどまらず、その成果の応用可能性を探る研究に着手し、順調に成果を上げている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、相互に関係の深い以下の3種類の研究を進める。1.暗号と擬似乱数アルゴリズムの開発と評価、2.シミュレーションのためのグラフの分散彩色アルゴリズム及び分散彩色多項式、3.誤り訂正符号系列の存在性と電子署名への応用。 特に2に関連して、平成28年度までに印象評価へのグラフ彩色の応用可能性を探ってみた。具体的には大量の写真群から似ていない良い写真の組合せを選出するために、グラフ彩色を利用する方法を提案し、効果的なアルゴリズムを作成した。利用している彩色アルゴリズムに分散彩色アルゴリズムのアイデアを追加することで、より独立性の高い効果的な写真選出が可能になると期待している。
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Causes of Carryover |
前年度未使用額が504,619円あり、前年度に購入を予定していたノートパソコンを年度初めに購入し、研究発表への出張旅費等にも利用したが、3月の日本数学会と応用数理学会の開催場所が東京で宿泊が必要なかったことで、まだ余裕があったため、残りは次年度に使用することにした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当初の予定よりも、研究集会等で発表する件数が増える見込みで、旅費の負担が予定より多くなると予想され、次年度使用額相当が必要になる見込みである。
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Research Products
(11 results)