2015 Fiscal Year Research-status Report
Banach環上のある種のスペクトル保存写像とその摂動の安定性
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15K04921
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
三浦 毅 新潟大学, 自然科学系, 教授 (90333989)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽鳥 理 新潟大学, 自然科学系, 教授 (70156363)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | スペクトル保存写像 / 等距離写像 / 関数環 / 荷重合成作用素 / Choquet境界 |
Outline of Annual Research Achievements |
スペクトルの最遠点集合として定義されるperipheral spectrumを乗法的に保存する写像の構造を調べ,既存の研究結果を統一的に述べることが可能となった.おおまかに言うと,関数環の部分集合が積について閉じており,さらにpeaking functionを豊富に含めば,multiplicatively peripheral spectra preserving mapは本質的に荷重合成作用素であることを示した.このとき,さらにChoquet境界は同相になることも示し,その同相写像が合成作用素のシンボルとなることも証明した.この定理により,これまで盛んに研究がなされてきたmultiplicatively spectrum preserving mapの定理の大多数が,我々の結果の簡単な系となる. 等距離写像の研究は古くからなされている.1932年にBanachは,実数値連続関数空間上の等距離写像は底空間上の同相写像を誘導するとともに,等距離写像は同相写像を用いた荷重合成作用素のシフトとして表現されることを示した.この結果は多くの方向に一般化されているが,主に「線形」の場合が研究対象とされている.これらの研究をより抽象的に一般化して取り扱うため,関数空間上の線形とは限らない全射等距離写像を考察し,その構造を調べた.その結果,等距離写像が荷重合成作用素として表現できない集合には必ず円周が含まれ,その円周上で任意の関数が1次関数として振る舞うことが示された. 線形とは限らない等距離写像の構造を決定する際に,Mazur-Ulamの定理が本質的な役割を果たし,実線形な等距離写像の構造決定に帰着させることが可能となる.Mazur-Ulam型定理が一般化されたgyrovector space上でも成り立つことが示された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
乗法的スペクトル保存写像のmulti-operator版については,単位的とは限らない関数環の部分集合が積に関して閉じておりさらにpeaking functionを豊富に含めば,それは本質的に荷重合成作用素として表現されることを示した.一方で研究課題であった非可換Banach環に対してはその構造が解明されていない.まずは有限階作用素を含むBanach環に対して,その上のmulti-operator版の乗法的スペクトル保存写像を解明しなければならない.
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Strategy for Future Research Activity |
単位元をもつとは限らない関数環上の保存問題,特にノルムに関する非対称保存性との関係を調べなければならない.そのため関数環の重要な具体例である円板環から非単位的関数環を自然な形で導入し,その上の非対称にノルムを保存する写像の構造を調べる必要がある.それを手掛かりにし,一般の非単位的関数環さらに非単位的可換Banach環上でも同様の問題を考察する.またこれらと並行して等距離写像の構造解明も重要な課題である.特に関数空間上の等距離写像とトーラスとの関係は非常に重要である.トーラス上の関数空間とその間の等距離写像について調べ,その結果を抽象化する必要がある.
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Causes of Carryover |
次年度使用額については今年度中に使用も可能であったが,次年度に研究課題に関する国際研究集会を開催することとなり,そのための経費として支出することが今後の研究発展のためにより適切であると判断した.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本研究課題に関する国際研究集会を開催する.その際の経費として次年度使用額を支出する予定である.
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Research Products
(20 results)