2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K04984
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
阿部 吉弘 神奈川大学, 理学部, 教授 (10159452)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
薄葉 季路 早稲田大学, 理工学術院, 准教授 (10513632)
南 裕明 愛知学院大学, 教養部, 講師 (70646885)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | Pκλ / 非有界集合 / 有界イデアル / 非定常イデアル / 強正規イデアル / Rudin-Keisler 順序 |
Outline of Annual Research Achievements |
濃度λの非有界集合が存在する場合, Rudin-Keisler 順序で Pκλ 上の有界イデアルより小さいイデアルは、非定常イデアル(実際にはそれよりも小さい特定のイデアル)を含まないことを示した。従来は、有界イデアルをどんな非有界集合に制限しても、非定常イデアルを含まないことが知られていた。 また、κ が Mahlo 基数のとき、Pκλ の濃度をもつ集合で生成されるイデアルは、最小の強正規イデアルを含まないことを示した。これは、有界イデアルは強正規ではないという定理を一般化したものである。 κ 上の P-point、Q-point の Pκλ への一般化としては、Rudin-Keisler 順序を重視して研究してきたが、それとは別に、κ 上での P-small、Q-small を濃度の観点から直接翻訳することも考え、基礎的な事実をいくつか得た。特に、κ が後続基数のとき、κ 上の飽和イデアルと P-point の関係と同様なことが成り立つことがわかったが、全体としては未だ統一的な理論構築には至っていない。 Katetov 順序に関しては、最大の解析的 P-イデアルの uniformity number の制御には Mathias-Prikry 強制法、2つのFσイデアルの uniformity number の分離には tree type の可算台積強制法が有力な候補として絞り込まれた。 強制法の一般論としては、基礎モデル全体の構造を考察し、それらが下方に有向順序をなしていることを示した。また、延長可能基数などの超巨大基数が存在するときには、最小の基礎モデルが常に存在することを示した。 集合論的位相空間論への応用として、リンデレフ空間の濃度と巨大基数の関係について考察し、もし反巨大基数的性質が成り立つならば、各点Gδであるリンデレフ空間で濃度が連続体濃度より大きなものが存在することを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新理論の構築には困難が伴うことは織り込み済みだったが、Pκλ の複雑さは予想以上で、なかなか統一的な理論にまとめられない。
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Strategy for Future Research Activity |
Pκλ では、κ 上と異なり、非有界性と濃度が分離していることが一番の困難の原因である。これまでは、構造に着目して、できるだけ濃度による扱いを避けてきたが、最終年度は、濃度の観点からみた理論と、構造からみた理論の二本立てで進んでみる。
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Causes of Carryover |
1月に米子で開催された、山陰基礎論・解析学セミナーに出席予定であったが、在籍大学における仕事の関係で出張を取りやめた。その旅費の分を無理に消化するよりは、次年度に回した方が合理的であると考えた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は、韓国で Asian Logic Conference が開催されるので、分担者の出張旅費に充当したい。
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