2016 Fiscal Year Research-status Report
空間FFT電波干渉計における電波バースト解析法の開発
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15K05029
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
坪野 公夫 早稲田大学, 理工学術院, 客員上級研究員(研究院客員教授) (10125271)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大師堂 経明 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 名誉教授 (10112989)
青木 貴弘 山口大学, 学内共同利用施設等, 学術研究員 (30624845)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 電波望遠鏡 / FRB / ブラックホール / 重力波 / マイクロクェーサー / ジェット / 降着円盤 |
Outline of Annual Research Achievements |
那須電波干渉計は、空間FFTの原理に基づき機能する観測装置である。この干渉計は直接撮像型とよばれ、リアルタイムに電波源の姿を捉えることができる。また那須電波干渉計の場合、角度分解能は8素子全長の160mで決まり、視野は1素子のサイズ20mで決まるという特徴をもつ。これにより、0.1°の空間分解能と0.8°の視野をもちあわせていて、バースト電波源の広視野パトロールに適している。空間FFT型電波干渉計は早稲田大学大師堂経明の考案になる装置であるが、最近改訂された電波天文学の教科書である、interferometry and synthesis in radio astronomy 3rd edition, A. Richard Thompson, James M. Moran, George W. SwensonJr., (Springer 2017)の中で1ページを用いて装置の原理やその後の展開が紹介されている。これは最近那須の研究成果が国際的に認識されるようになり、その動作原理についても注目が集まっていることを意味していて、本研究などの活動の成果であると思われる。 マイクロクエーサーCyg X-3からの電波フレアを期待して準備を進めている。Cyg X-3はX線連星であり、主星はブラックホールもしくは中性子星でありその周りを伴星が回っている。1973年にもアウトバーストを起こしており、その電波フレアを大師堂等が鹿島の望遠鏡を用いて観測した実績がある。この現象は、まずX線がソフトモードからハードモードに変わり、その1ヶ月後くらいから電波活動が活発になり電波フレアが出現すると予想されている。今回は、既にSWIFT衛星などでX線のモード遷移が観測されているため電波検出の準備と整備を進めている。これが受ければ、降着円盤やジェットと中心核との相互作用の様子などが明らかになると期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
那須の電波干渉計は毎日24時間体制でデータを取得しており、年間の稼働率は85%を越えている。取得データはネットワークを通じて東京に送られており、基本的に毎日データ解析が行われている。この解析においては、GRB(γ線バースト)やGWB(重力波バースト)と相関をもつ電波信号の探索や、その他のトランジェント信号の探査研究が続けられている。また同時に、一つの電波天体の光度の長時間変化を調べるため、同じ天体を1ヶ月程度連続的に観測して変光を示す天体を探し出す研究も行っている。これらの研究はまだ解析が進行中であり、解析に必要なプログラムの開発も精力的に進められている。
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Strategy for Future Research Activity |
他チャネル(X、γ、ニュートリノ、重力波等)との連携に努め、変動電波バーストをめぐるウォーニング、フォローアップの体制を構築する。また、前述のようにCyg X-3からの電波フレアの検出に向けて装置および解析ソフトの整備を行う。
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Causes of Carryover |
購入を予定していたハードディスクの購入が年度内に間に合わなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
新年度、速やかにハードディスクの購入を行う。
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Research Products
(5 results)