2020 Fiscal Year Research-status Report
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15K05070
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
伊藤 洋介 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 准教授 (60443983)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 重力波 / 一般相対性理論 / 中性子星 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は計画当初は2019年度に終了予定であり、2020年春の米国での研究会での発表をもって完了する予定であった。この研究会は毎年おこなわれている重力波についての研究会である。2020年度2月からのCOVID-19の影響により当該研究会が開催直前になってキャンセルされたため、2020年度開催の上述の研究会への出張を予定して、計画を繰越した。残念ながらその後もCOVID-19の影響は続き、同研究会および同レベルの海外研究会が軒並みキャンセル・延期、あるいは遠隔開催となったため、2021年度へのさらなる延長を申請、受理されている。
本研究課題では独立成分解析を援用して雑音を低減する手法を提案し、日本の重力波検出器KAGRAの初期試験運転によるデータ iKAGRA データを利用してその有効性を示した。また、瞬間的結合と線型性を仮定した独立成分解析が重力波データ解析の文脈では Wiener filter と同一であることを数学的に示した。この結果は2020年に論文に出版している。その後非線形相関のある場合への雑音除去のための定式化をおこなっているところである。本手法は未だ試験段階ではあるが、LIGO/Virgoにおける同様な研究からノイズ除去の有望な手法と考えることができ、将来に向けた研究を強力に進めている。また、LIGO/Virgoグループのおこなっていない非線形相関しているノイズの除去に向けてもすでに定式化をほぼ完成し、最新の観測運転データを用いて研究をおこなっているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本来2019年度の研究会発表をもって完了する計画で出張旅費を計上していたが、2020年度はCOVID-19のために主な研究会が軒並みキャンセル・延期・遠隔開催となり、出張ができなかったため、旅費分を繰越している。
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Strategy for Future Research Activity |
私がSOCを務めている研究会が12月にドイツでおこなわれる。この研究会もしくは、2022年3月におこなわれる研究会への参加・発表をもって計画を完了としたい。
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響により、本科研費から旅費として支出し出張予定であった研究会がすべてキャンセル、延期、遠隔開催のいずれかになってしまったため、2021年度に対面開催がおこなわれることを期待して、繰越を申請したものである。
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Research Products
(11 results)