2016 Fiscal Year Research-status Report
過酷な腐食環境で用いられる異種異形状固相接合材の腐食疲労強度の評価
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15K05703
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Research Institution | Kushiro National College of Technology |
Principal Investigator |
高橋 剛 釧路工業高等専門学校, 創造工学科, 教授 (50435393)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 真晃 兵庫県立大学, 工学研究科, 准教授 (90285338)
福地 孝平 釧路工業高等専門学校, 創造工学科, 助教 (40707121)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 摩擦圧接 / 腐食 / ガルバニ電池腐食 / 濃淡電池腐食 / 凍結融解 / A6063とSUS304 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,複数材料の組み合わせに対する異種異形状材の圧接接合法を開発し,腐食環境下で繰り返し負荷を受けた接合材が被る腐食疲労特性を明らかにする.更に,溶融溶接の代わりに摩擦圧接を用いることで凍結融解腐食環境下でのSUS304の熱影響部に発生する孔食や応力腐食割れの解決策となることを検証することにある. この目的に対して2年目の平成28年度で実施する項目は以下の通り3つであった. 【1】実験による異種異形状材料の摩擦圧接接合法の確立と接合強度試験:前年に続き,中実/中空形状材の(1)SUS304/SUS304,(2)SUS304/A6063,(3)AC8A/A6061の接合並びに接合強度を都度確認した.(2),(3)接合材についてはX線応力測定装置を用いて接合条件による残留応力への影響を明らかにした.【2】接合材及び非接合材の耐食性及び腐食疲労特性の解明:接合材及び非接合材に対して,異なる腐食環境(20℃一定と凍結融解(-20~+20℃))に対する耐食性を評価した.共に接合界面がガルバニ電池腐食により著しく腐食し,2週間で接合面積が初期の6割程度に減少することが分かった.更に接合前後,加工前後,腐食前後における残留応力の変化を明らかにすることができた.予定にはなかった発展研究として,圧縮或いは引張予荷重を接合材に与えたときの腐食への影響も明らかにできた.【3】固相接合を模擬した弾塑性構造解析を実施し,X線残留応力と解析結果による応力分布を比較し,接合メカニズムを明らかにできた. 成果報告として,【1】に対しては国際ジャーナルでの論文発表があった.【2】に対しては国内での学会発表2件を実施できた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の実施計画に照らし合わせると予定項目に着手しており,共同研究者の査読付き論文発表もある.研究代表者による講演もあり,成果発表としては十分と思われるが,査読付き論文がないことと腐食疲労が未着手の点がやや遅れとしている.但し,予定になかったX線応力評価ができ,前進できたものもある.
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Strategy for Future Research Activity |
遅れ気味の腐食疲労については疲労試験機を壊す可能性があるので,まずは疲労試験機を使わない方法で簡易的な方法で実施する.
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Causes of Carryover |
腐食疲労試験のための専用治具価格が当初見積よりも高額で,購入できなかったことに依る.更にX線応力測定装置も試験的に使用できたことで使用額が少なかった.構造解析も本格化する前の前段解析であったため費用が予定よりもかからなかった.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
疲労試験機を使用せず,代用可能な簡易的な自作試験機の製作を検討する.更に成形解析用の専用シミュレーションソフトのライセンス費用等に充て,新たな研究検討項目を追加し,研究環境の整備を計画している.
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Research Products
(3 results)