2015 Fiscal Year Research-status Report
テイラー・ディーン流れカオス混合の速度・濃度同時計測による混合促進メカニズム解明
Project/Area Number |
15K05814
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Research Institution | Yonago National College of Technology |
Principal Investigator |
早水 庸隆 米子工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (90413822)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳瀬 眞一郎 岡山大学, 自然科学研究科, 教授 (20135958)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | カオス混合 / 二次流れ / マイクロミキサ / PIV / LIF / CFD |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,化学やバイオなどの分野においてμ-TAS (Micro Total Analysis Systems) と呼ばれる超小型・化学分析装置の開発が注目されている.この装置は様々なマイクロ流体素子やセンサなどから構成され,混合,攪拌,反応,分離や抽出などの一連の操作を行う.しかし,流路はマイクロサイズであるため,その流れは低レイノルズ数となり乱流による攪拌や熱移動が期待できない.そのため,低レイノルズ数流れにおいて効率よく混合・攪拌されるマイクロ流体デバイスが必要とされている.そこで研究代表者らは,曲がり管内流であるディーン流れと同軸回転二重円筒内流であるテイラー流れを組み合わせたテイラー・ディーン流れを利用したカオス混合によって混合の促進を図るマイクロミキサを提案している.本研究課題の最終目標は,テイラー・ディーン流れを利用したカオス混合の混合促進メカニズムと評価法を明らかにすることである. 平成27年度は二次流れと断面混合場の時間発展をPIV(速度)およびLIF(濃度)によって同時計測し,さらに有限体積法によるCFDの結果を用いることでカオス混合に及ぼす二次流れの効果を検討した.その結果,以下の知見が得られた. [1]主流の逆流が発生し,その逆流による二次流れが組み合わされ,乱れた二次流れとなることで混合は促進される. [2]流路断面のアスペクト比が大きい方が逆流の発生範囲は広く,混合が早く進行する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
CFDによる計算結果が予想以上に目覚しいものであり,実験結果と極めてよい一致を示した.また,計算条件として曲がり流路4壁面中,移動させる壁面を当初は2壁面としていたが,計算結果が早くまとまったため,移動させる壁面を1壁面,3壁面とした追加計算をすることができた.以上の理由から,当初の計画以上に進展していると判定した.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,まず当該年度に追加計算をしたマイクロミキサのモデル機を製作し,二次流れと断面混合場の時間発展のPIVおよびLIF同時計測を実施する.そして,3次元カオス流れ場の時間発展をPIVおよびLIFによって同時計測し,さらにCFD結果を用いることで,カオス混合の混合促進メカニズムについて明らかにしていく.
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