2015 Fiscal Year Research-status Report
非接触運動制御と機能分析技術の融合で実現するスマートハンドリングシステムの創出
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15K05883
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Research Institution | Kitakyushu National College of Technology |
Principal Investigator |
久池井 茂 北九州工業高等専門学校, 生産デザイン工学科(知能ロボットシステムコース), 教授 (50300653)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川原 浩治 北九州工業高等専門学校, 生産デザイン工学科(物質化学コース), 教授 (20321515)
吉野 慶一 北九州工業高等専門学校, 生産デザイン工学科(情報システムコース), 教授 (40249876)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ハンドリング / レーザーツイザー / 機能分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は,スマートハンドリング技術構築のため,非接触運動制御技術の導入と機能分析技術の確立を図ってきた。培地内で細胞の3次元操作や回転運動の最適操作条件を調べ,共焦点レーザー操作顕微鏡で得られる結果を比較検討することによって,細胞の3次元姿勢制御を研究した。そして,断層画像を撮影することによって3次元画像を作成し,「人」に代わり細胞をリアルタイムで計測処理,精緻なハンドリングができるシステムの研究開発を行った。 上記のシステムを実現するために,対物レンズにピエゾステージを導入してレーザー光を独立して動作させる方法を考えた。ピエゾステージとパソコンを繋ぐことによって,パソコン上で細胞の運動制御を行うことを可能とし,より正確に移動が行えるような環境構築を図った。また,大きな課題の1つである,細胞の姿勢(回転等)により形状が変化することを防ぐために,対象の回転によってパラメータ変動が生じない,重心点からの等距離エッジ強度を使用して照合を行った。 細胞の機能分析技術を組み合わせることで,これまでにない新しいシステムを研究している。レーザー光を2本使う方法を提案することで,細胞に直接レーザーを照射する必要がなく,細胞の破損や損傷を避けることができ,回転運動も可能となるシステムを構築した。共焦点レーザー操作顕微鏡の焦点を変えることなく断層画像を取得することが可能となるため,抗体の染色画像を取得してきたときに発生していた,カバーガラスの反射の影響を受けることなく,より高速・高精度で細胞の三次元画像を作成できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに,レーザー光で様々な微粒子の捕捉や移動,培地内におけるヒト細胞の捕捉や移動を実現できた。培地内の細胞はバラバラの状態で存在しており,細胞の選別に人が関与しているので,撮像した画像から自らの位置を判断し,姿勢などを調整する自動認識システムを構築しているので,当初の計画どおり進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度に研究してきた2つの技術を融合することによって,細胞からの反応によるデータを用いて,画像解析イメージングによるハンドリング技術を確立する予定である。細胞内の温度によって画像の輝度が変わる方法なども研究されていることから,非接触温度センサの活用も検討している。機能分析と画像処理結果との相関を調べ,細胞の反応を示すメカニズムを分析する。
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Causes of Carryover |
平成27年度は,これまでに科研費の支援を受けて研究を継続してきたシステムを応用展開でき,様々な粒子や生体細胞の捕捉・移動に成功した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は,本研究で用いるハンドリングシステムの改良などを実施し,計画どおりの使用を計画している。
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Research Products
(2 results)