2015 Fiscal Year Research-status Report
静圧軸受を内蔵する非接触駆動空気圧サーボを用いた超精密X-Yステージの開発と制御
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15K05911
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
藤田 壽憲 東京電機大学, 工学部, 教授 (70242279)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 精密機械システム / 機械要素 / 制御工学 / 空気圧 / 超精密位置決め |
Outline of Annual Research Achievements |
空気圧サーボを用いてX-Yステージを構成するとき必然的に配管が長くなる。単軸では配管長が短く、この場合のサーボ性能の応答限界は空気圧サーボ弁の応答周波数で決まり、速度・加速度・ジャークをフィードバックする制御手法とその制御系設計法を研究代表者らは先に確立した。しかし配管が長くなった場合は、配管の共振周波数がサーボ弁の応答周波数を下回り、確立した手法が適用できない。このことから27年度は、管路が影響する場合の制御系設計手法について研究を行った。 長い配管を有する容器内空気圧力の制御では具体的にはH∞制御により管路共振の影響を回避して、サーボ弁の応答周波数近くまで応答性が向上させることができた。そこで、このH∞制御の設計手法を空気圧アクチュエータに拡張する制御系手法を提案した。この妥当性・有効性を単軸の空気圧サーボアクチュエータに管路を取り付けることによって実機により検証した。管路が短い場合はサーボ弁の応答周波数のみを考慮して、比較的、良好な制御結果が得られた。しかしながら、先に研究代表者らが確立した制御手法と比較すると、制御性能が劣っていた。また長い管路を取り付けた場合は、フィードバック系管が路共振点を超えるような応答性を持つように設計すると制御系が不安定となり、管路共振点以下でしか安定とならないなど、問題点が残った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の研究計画では管路が長い場合を含めてH∞制御系設計の確立を目指していたが、 研究実績の概要で述べたように提案したもののH∞制御で満足の行く性能が達成できなかった。この原因の究明に時間を要した結果、当初予定していたX-Yステージの設計および製作が着手できなかった。このため「やや遅れている」との判断とした。
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Strategy for Future Research Activity |
制御手法および制御系設計法が確立されていなくとも、もうひとつの研究の柱であるX-Yステージの製作には支障はない。そこで28年度は提案するX-Yステージの設計および製作を当初の研究計画通り実施する。同時に27年度に引き続き、良好な制御結果が得られるように、制御手法およびその制御系設計法の改善を行っていく。
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Causes of Carryover |
27年度にX-Yステージの試作を開始する予定であったが、設計が遅れており製作に取り掛かれなかったため申請額を下回った。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
残額は28年度でX-Yステージの製作に使用する。
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