2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K06136
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
軸屋 一郎 金沢大学, 電子情報学系, 准教授 (90345918)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 制御工学 / 線形時変システム / システム解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
先行研究において、微分可制御性に着目し、線形周期システムに対して微分可制御部分空間なる概念を提案してきた。可制御性が有限時間幅内での原点への制定が可能であることを意味するのに対し、微分可制御性は任意の時間幅内において原点への制定が可能であることを意味し、より厳しい条件となっている。線形時不変システムでは両者の違いはないが、線形時変システムにおいては両者は異なる。本研究では、線形時変システムに対して微分可制御部分空間の概念を拡張し、種々の解析を行うことを目的としている。前年度は、微分可制御部分空間を微小時間区間上における可制御性グラミアンの像空間として定義し、そのままでは計算できないので、像空間の直交補空間を評価することにより積分形式の計算方法を与えた。さらに、その直交補空間をとりなおし、係数行列から計算可能な微分形式の評価方法を与えた。以上により、解析的な係数行列を持つ線形時変システムに対して微分可制御部分空間を拡張し、その計算方法を提案したわけであるが、座標系への依存性が明らかではなかった。そこで、本年度は各種計算公式の座標系への依存性を調べた。各種計算公式における計算と座標変換が可換であることを示すことにより、各種計算公式は座標系に依存しないことを示した。また、前年度は解析的な線形時変システムに対する各種計算公式を導出したが、本年度は区分解析な線形周期システムに限定して各種計算公式の拡張を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、係数行列を解析的な場合から区分解析的な場合への拡張を目標としていた。その目的に従い、対象を線形周期システムに限定するものの、区分解析的な場合に適用可能な計算公式を導出できた。さらに、座標系に依存しないことを示すことにより、計算公式の適用状況の広さを示すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は係数行列を区分解析的な場合に拡張する際に、対象を線形周期システムに限定していた。引き続き、係数行列の区分解析的な場合への拡張を考え、線形周期システムに限定せずに一般の線形時変システムに対する結果を導出したい。また、微分可制御部分空間の解析方法を拡張して、実現問題に取り組みたいと考えている。
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Causes of Carryover |
学会出張費用が予定より抑えられ、次年度に学会発表をしたいと考えているため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の学会発表を考えるとともに、実問題との対応関係を意識しながら研究を進められるよう機材購入も行いたい。
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