2018 Fiscal Year Annual Research Report
Construction of locomo diagnostic system using a vision sensor
Project/Area Number |
15K06142
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
櫛田 大輔 鳥取大学, 工学研究科, 准教授 (30372676)
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Project Period (FY) |
2015-10-21 – 2019-03-31
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Keywords | ロコモティブシンドローム / 主成分分析 / ニューラルネットワーク / Kinect |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は,1)鳥取県日野郡日野町による高齢者の歩行データ取得(5年間の追跡調査継続),2)昨年度構築したロコモ判断モデルの推定精度確認を行った. 1)は,6月に鳥取県日野郡日野町で198名の高齢者を対象とした歩行測定を実施した.その際,医療機関で歩行解析に用いられる標準的装置OptoGaitと,我々が提案する簡易測定手法Kinectの両方で歩行測定を同時に行った.その後,OptoGaitの測定データを標準データ,Kinectの測定データを簡易データとして定義した. 2)は,昨年度同地区の測定で取得した標準データを学習データ,今年度取得した標準データを検証データとして,ロコモ判断手法の再現性を確認した.その結果,ロコモ判断では感度83.3%,特異度86.0%となり,理学療法士と同等の判断が可能であることが確認された.つぎに,今年度取得した標準データと簡易データを用いてロコモ判断を行った.標準データおよび簡易データに対して各々学習データと検証データに分割したK分割交差検証を実施し,標準データに対する簡易データの再現率は85.5%と良好な結果を得た.これはロコモ簡易判断の可能性を示す結果である. 研究期間を通して延べ1000名近くの高齢者の歩行測定を実施した.その間,簡易ロコモ判断のための疫学データの有効指標の抽出,Kinectの設置条件,取得データの解析手法,ニューラルネットワークの設計パラメータの決定,理学療法士の勘所との比較(一致,相違)を実施した.いずれにおいてもロコモ判断を行う上で,現状最適と言える結論を導き出すことができ,上記1)2)で記した通り理学療法士のロコモ判定をほぼ再現することが可能となった.これは,今後数十年は続く高齢社会において健康寿命を延ばすために必要なロコモ診断を精度良く全国どこでも簡易・安価に行えることを意味しており,社会福祉に貢献できる成果である.
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