2016 Fiscal Year Research-status Report
連動型地震における被害進行を考慮した時系列的地震リスク評価手法の開発
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15K06204
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
池田 隆明 長岡技術科学大学, 工学研究科, 教授 (40443650)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
紺野 克昭 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (40276457)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 2016年熊本地震 / 内陸地殻内地震 / 震源近傍 / 震度7 / 経験的グリーン関数法 |
Outline of Annual Research Achievements |
2016年4月に発生した熊本地震では、4月14日にMj6.5の地震が発生し、その28時間後にMj7.3の地震が発生した。震源近傍の益城町では、両方の地震で震度7を記録し、立て続けに発生した二つの大地震により大きな被害を受けた。そこで、震源近傍の住宅および土木構造物の被害調査を行い、連動した地震による被害の進行状況を評価した。被害の進行は二つの地震の直後に撮影された航空写真を用いてそれぞれの被害を推定し、その差分から評価した。また、被害地域の地震動を経験的グリーン関数法により推定し、被害と地震動との関係を明らかにした。その結果、4月14日の地震で被害を受けた構造物が、4月16日に再び大きな地震動を受けたことにより、被害が拡大した状況が確認された。調査結果については、学会で公表するとともに、査読付き論文として投稿している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2016年熊本地震の発生により、当初計画に含まれていなかった研究を追加した。ただし、当該地震に関する調査研究は、連動型地震の実被害を明らかにすることができるため、貴重な研究成果が蓄積された。連動型地震の被害が明らかになったことから、当初計画していた数値計算シミュレーションによる被害推定を縮小することにより、当初計画通りの成果を達成できる見込みである。
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Strategy for Future Research Activity |
研究最終年度の平成29年度には、当初計画通り数値解析的手法により、時系列的地震強度指標を作成・提案する。その際、対象地域を2016年熊本地震の被害地域とすることにより、指標の検証を行う予定である。 連動型地震を想定した地震ハザードマップについては、平成28年度に2016年熊本地震の調査・研究を行い、実被害事例が蓄積されたことから、対象地震を絞って実施する。
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Causes of Carryover |
平成28年度は国際学会(16WCEE)に2名参加予定であったが、2016年熊本地震の発生、および担当者の所属機関異動により不参加となったため、その分だけ研究予算の執行が減少した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2016年熊本地震の調査研究成果を含む本研究成果について、同様の地震が発生したネパール(トリブバン大学)もしくはニュージーランド(カンタベリー大学)での研究会に参加し、海外への研究成果発信を実施する。
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Research Products
(7 results)