2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of rational eelgrass regeneration method to evaluate from outliers of HSI model
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15K06268
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
野村 宗弘 東北大学, 工学研究科, 助教 (70359537)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 生態系修復・整備 / 土木環境システム / 海洋生態 / 自然再生 / 環境修復 |
Outline of Annual Research Achievements |
東日本大震災により被害を受けた他の湾は回復が進んでいるのに,松島湾は回復が進んでいない.また,砂地から砂泥地がアマモの生育条件とされているのに,松島湾においては泥場になぜアマモが生育できるのか.という研究課題に対して,泥場におけるアマモ生育のための機構を明らかにするとともに泥場におけるアマモ場の再生手法の開発を目的とした研究を行った. 2017年度は,アマモの生育状況および生育環境調査として,松島湾におけるアマモの分布状況の確認,アマモ生育場周辺の環境調査を実施した. 2017年5月に大潮の干潮時に松島湾全域を船と車で移動しながら目視でアマモ場の分布状況を確認した.震災前(2007年6月)のアマモ場面積4,525,644m2に対して,震災後(2017年5月)の分布面積は772,546m2で約17%の回復状況であった.この結果を踏まえ,アマモ回復傾向の特徴から松島湾を区分し,水質の特性解析に利用した.また,アマモ場周辺の環境調査を行う際の水域を選定した. さらに,2017年8月,9月にアマモの濁質ストック機能を明らかにするため,アマモ場周辺の濁度の鉛直分布を潮汐に応じて観測を行った.アマモ場外側の濁度について,上げ潮時より下げ潮時が低い結果であったことから,濁質はアマモ場内にストックされていることがわかった. 次にアマモの衰退期にあたる2017年12月に2週間を観測期間として設定し,濁度,流向・流速,セディメントトラップなどの現地観測を行った.アマモ繁茂期に実施した調査結果と比較するため,前回の調査(2016年7月に実施)と同地点を採用した.今後,アマモ有無による結果を比較し,アマモ場の濁質のトラップ機能の存在を定量評価することで,アマモ場の存在が湾全体の透明度に波及することで,松島湾のアマモ場の回復が遅れているという仮説の説明に役立てたい.
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