2016 Fiscal Year Research-status Report
小学校存続活動を契機とした持続的居住支援システムの有効性と課題
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15K06388
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Research Institution | Hiroshima Institute of Technology |
Principal Investigator |
福田 由美子 広島工業大学, 工学部, 教授 (50289261)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 文香 広島女学院大学, 人間生活学部, 准教授 (80389808)
下倉 玲子 呉工業高等専門学校, 建築学分野, 准教授 (50510442)
石垣 文 広島大学, 工学研究院, 助教 (60508349)
山本 幸子 筑波大学, システム情報系, 准教授 (30509526)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 学校存続 / 空き家活用 / 山村留学 / 住民組織 / 移住 |
Outline of Annual Research Achievements |
背景として,学校存続のために住民組織が自主的に活動している事例を研究対象としているが,中山間地域において学校統廃合が進み,学校がなくなる地域が多く発生してきている状況がある。1年目の調査結果を踏まえ,2年目は他地域からの移住促進につながる取り組みとして,家族方式による山村留学に着目して調査研究を行った。また,廃校になった場合の地域への影響についても検討するために,小学校存続と人口動態の関係についての分析も行った。これらを推進するために,今年度は7回の研究会を開催した。 具体的には,以下の調査および作業を実施した。 1)家族方式の山村留学に取り組んでいる事例の抽出:インターネット等を用い,山村留学家族方式に取り組んでいる事例を把握した。 2)山村留学家族方式に取り組んでいる事例のヒヤリング調査:山梨県早川町,および高知県馬路村魚梁瀬地区を訪問し,教育委員会や小中学校,地域住民,保護者を対象に,取り組み経緯や内容,住宅提供の実態,学校教育への影響,地域の生活環境などについて聞き取りを行った。 3)全国の山村留学制度の実態把握のためのヒヤリング調査:NPO法人全国山村留学協会を訪問し,山村留学の発足の経緯や運営体制,各自治体との関係等について聞き取りを行った。 4)廃校になった地域の人口動態調査:広島県三次市をモデルとして,国勢調査をもとに人口推移と学校の統廃合の関係について分析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初,住民組織の活動を評価するために,比較対象として自治体の施策を把握することを予定していたが,定住促進に関わる施策は多くの自治体で多様に実施されている現状がある。焦点を絞るために,自治体による定住促進につながる活動として山村留学を新たに位置づけて,自治体調査を実施した。その補足のために,山村留学協会への調査も追加した。自治体調査の中では,取り組みに関わっている住民組織の調査もあわせて実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度も,引き続き定期的に研究会を開催し,1,2年目に実施した調査結果を整理した上で不足データの追加調査,および廃校と人口の関係をみる統計データの分析を行う。その上で,得られたデータをもとに,学校存続と他地域からの転入システムの関係を考察し,人口減少地域における地域生活持続のための居住支援のあり方について検討を行う。
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Causes of Carryover |
調査対象事例を山村留学を実施している地域に絞ったため,調査件数が予定より少なくなり,旅費が計画時より下回った。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
人口動態の統計的分析を行うにあたり,資料整理作業者への謝金に使用する計画である。また,成果を広く公表していくために,本研究で取り上げた事例に関する印刷物を作成する計画である。
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