2015 Fiscal Year Research-status Report
スウェーデンのインデペンデント・スクールに学ぶ学校オープンスペース個別学習空間化
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15K06391
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Research Institution | Kure National College of Technology |
Principal Investigator |
下倉 玲子 呉工業高等専門学校, 建築学分野, 准教授 (50510442)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳澤 要 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20311615)
佐々木 伸子 福山大学, 工学部, 准教授 (90259937)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 小中学校 / スウェーデン / インデペンデント・スクール / オープンスペース |
Outline of Annual Research Achievements |
スウェーデン・インデペンデントスクール調査の最重要調査である現地調査へ平成27年11月2日~6日に日程で実施することができた。4つの教育プロバイダーへのヒアリング、及びヒアリングを実施した教育プロバイダーが運営する計6つの学校へ訪問調査を行った。調査員は、下倉(代表・呉高専)、柳澤(千葉大)、山田(千葉大院生)、塚原(呉高専専攻科生)の5名であった。当初調査同行を予定していた佐々木(福山大)は家庭の急な事情のためキャンセルをせざるを得なかったのが残念である。 現地調査により分かったことは、教育プロバイダーは組織的な運営によって効率的に管理業務を行っていること、教育プロバイダーであるヴィトラとカンスカプルコーランは子どもたちに提供したい教育内容をプロバイダーとして決め、それを実践するための学習空間を用意していることである。これらプロバイダーの学校の教室周りの空間は、ワークスペース中心型で、ワークスペースの周りにいくつかの教室が配置されている。教室とワークスペース間は、ガラス壁やガラス扉により視線が抜けるようになっておりワークスペースと教室で構成されるユニット内の活動が一度に把握できるようになっている。教育内容と学習内容がリンクしていることは、今後本研究を進める意義をより高め、本研究の最終目的である日本のオープンスペースの再生を考える上で、本研究の成果が大変貴重な資料となりえることを示唆している。 こうした内容は、日本建築学会計画論文集に「スウェーデンのインデペンデント・スクールにおける運営体制と学習空間構成の特徴」と題して査読中であり、平成28年4月に審査結果「再査読」で返ってきたばかりである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
現地調査を踏まえ査読論文投稿は3年目にと考えていたが1年目に1本投稿することができた。これは、現地調査で十分な情報を得ることに成功したこと、また2年目の研究を実行するにあたり、膨大な情報を整理する必要があると考えたためである。さらに、ケーススタディした6校の学校の詳細な家具配置の図面を作成しており、近々には未発表のデータも蓄積できているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
2回目の現地調査を11月の初旬に実施する予定である。スウェーデンのインデペンデント・スクールの実態は初年度の調査で捉えることができたが、公立学校と比較できていない。そこで、2年目は、1回目の現地調査地であるストックホルム市を対象とし、市の学校整備部や教育省でのヒアリング、公立学校の視察を予定している。これにより、よりインデペンデント・スクールの特徴を明確化したいと思っている。また、教育内容とそれにリンクした学習空間や家具配置を初回の調査で把握しデータとして蓄積したが、まだ情報量および分析が不十分なため、そこを補うよう調査をしたい。
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Causes of Carryover |
初年度よりもより詳細な調査をするため、調査員を増やす予定である。そのため旅費で使えるようにした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
現地調査員は、下倉、柳澤、佐々木、呉高専専攻科生2名、千葉大院生2名の予定である。
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Research Products
(3 results)