2016 Fiscal Year Research-status Report
スウェーデンのインデペンデント・スクールに学ぶ学校オープンスペース個別学習空間化
Project/Area Number |
15K06391
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Research Institution | Kure National College of Technology |
Principal Investigator |
下倉 玲子 呉工業高等専門学校, 建築学分野, 准教授 (50510442)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳澤 要 千葉大学, 大学院工学研究科, 教授 (20311615)
佐々木 伸子 福山大学, 工学部, 准教授 (90259937)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 小中学校 / 学習空間 / 個別学習 / 家具配置 / スウェーデン |
Outline of Annual Research Achievements |
2年目となる平成28年度の研究活動は、その前年度行った第1回目のスウェーデン現地調査のまとめとしての論文作成と第2回目の現地調査であった。 論文作成では、日本建築学会計画系論文集10月734号に掲載され、スウェーデンのインデペンデント・スクールにおける運営体制と学習空間構成の特徴を現地調査で行った4つの教育プロバイダーでのヒアリングと6つの小中学校の視察とヒアリングを基に報告した。また、教育内容と家具配置の関係について、国際会議(EDRA)のアブストラクトに応募し査読審査を通過することができた。 第2回目の現地調査では、ストックホルム市の教育施設職員とSISABというストックホルム市のすべて学校の建設を担当する市保有の企業の職員と建築家にヒアリングを実施することができ、スウェーデンの学校建設全体のしくみについても知ることができた。また、第1回目で視察した学校の中で個別学習を徹底しておりそのための学習空間を備えている所に、1日の観察調査を実施した。学年ごとに色の異なるリストバンドを子供たちにつけてもらい、子供たちの居場所をプロットするとともに学年の散らばりなどをも測定することができた。さらに100名近い児童生徒に対して学習場所に関するアンケートも実施した。また、インデペンデント・スクールとの比較のため、前衛的な公立の小中学校を視察し、公立の中にもインデペンデント・スクールに引けを取らない学校があることも確認した。 本研究の目的には日本のオープンスペース再生の糸口として個別学習への対応を掲げている。個別学習の進むスウェーデンの学校では、児童生徒が、活動内容、活動グループ、個性などに応じて相応しい学習場所を選んで勉強している。個別学習のための具体的な空間構成や家具配置は第1回と第2回の現地調査で把握した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
1年目に行った研究活動の報告がすでに査読論文となっている点、第2回目のスウェーデン現地調査ではヒアリングと視察にとどまった第1回目より発展性のある情報を得ることができたことが当初の計画以上に進展していると思える所である。
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Strategy for Future Research Activity |
第2回目の現地調査で得たデータを整理し、報告書としてまとめることが本年度の課題である。一つは1日調査を行ったインデペンデント・スクールであるKunskapsskolan Spangaのプロット図とアンケート結果の整理がある。これと並行して、第1回と第2回の現地調査の総まとめとして、個別学習のための空間構成と家具配置についてまとめていく。以上の2点については、日本建築学会計画系論文集への投稿を予定している。 申請書では最終年となる本年度は日本のオープンスペースの調査を行うと予定したが、スウェーデンでの現地調査で得られた情報量が予想より多いためそれらの整理をして結論とする。
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Causes of Carryover |
研究内容の整理、各種機関への報告のために助成金が必要である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
残りの助成金は、本研究の内容を発表することとなっている国際会議での参加費用、査読論文登録料、研究協力者への研究報告出張旅費などのいずれかとして使用する予定である。
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Research Products
(5 results)