2016 Fiscal Year Research-status Report
旧東宮御所（迎賓館赤坂離宮）造営におけるフランス人室内装飾家の関与と日本趣味
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15K06409
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| Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
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Principal Investigator |
平賀 あまな 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 特任准教授 (90436270)
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| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | 旧東宮御所（迎賓館赤坂離宮） / 造営事業 / フランス人装飾家 / 日本趣味 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
旧東宮御所（迎賓館赤坂離宮）の装飾の設計過程とフランス人装飾家の関与、日本趣味の装飾の導入について明らかにするため、本年度は、特に大階段、一階主要室、二階の一部客室の装飾についての調査をおこなった。宮内庁宮内公文書館所蔵の東宮御所造営時の図面、会計書類等を詳細に分析し、装飾の設計過程として、フランス人装飾家の関与以前の図面の特定、フランス人装飾家の図面の特定を行うことができた。
特に外観装飾の設計過程について、片山東熊のアメリカ出張時のアメリカ人建築家への装飾相談の詳細と装飾家という存在への注目、フランス人装飾家の外観装飾への関与とデザインの内容、最終的な御造営局技師らによる日本趣味の導入について明らかにし、その内容を日本建築学会計画系論文集に『旧東宮御所（迎賓館赤坂離宮）の正面外観装飾の設計過程』として投稿し、採択され、論文集第726号に掲載された。
また、フランス人装飾家についての研究をパリで進めている研究協力者の野口沢子氏を日本に招へいし、迎賓館赤坂離宮の一階装飾の現地調査を行うほか、旧竹田宮邸などの類例調査をおこない、宮内公文書館、国会図書館等における追加資料調査も行った。
さらに、類例調査としては、片山東熊が設計した他の建築の装飾との比較分析を行い、特に東京国立博物館表慶館については、図面調査、装飾の考察から、外壁の彫刻モチーフなどにみられる特徴的な装飾を抽出し、旧東宮御所との共通点と日本趣味の装飾の導入の過程を考察した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
宮内庁宮内公文書館他所蔵の資料、図面類の分析、フランスにおける室内装飾家に関する資料の収集と分析、類例調査ともおおむね計画通りに進捗している。各部屋ごとの詳細な変遷の分析が終了していない部屋があるので、翌年以降も継続して分析する。
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| Strategy for Future Research Activity |
平成２９年度は最終年度に当たるため、旧東宮御所（迎賓館赤坂離宮）の装飾の設計過程とフランス人装飾家の関与、日本趣味の装飾の導入について、できるだけ多くの部屋を事例として調査分析をすすめるとともに、研究を総括し、明治期の国家的事業として建設された宮殿における装飾の設計過程を明らかにする。
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| Causes of Carryover |
研究を継続して行う上で、年度ごとの残金をゼロにする必要が無いという基金の条件を利用して、年度にこだわることなく研究を行うことができたため。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度の研究を行う上で、資料複写の代金として使用予定である。
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