2016 Fiscal Year Research-status Report
Development of technology for fabrication of metal thin coating on ceramic substrates by cold spray method
Project/Area Number |
15K06460
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
榊 和彦 信州大学, 学術研究院工学系, 教授 (10252066)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | コールドスプレー / 金属皮膜 / ノズル / 異種材料接合 / セラミック基材 |
Outline of Annual Research Achievements |
コールドスプレーにおける皮膜の平坦化を狙った矩形断面ノズルの開発の成果として、矩形断面ノズル末広部長さと平行部長さの比の最適化や、ノズルコーナー形状の影響を数値シミュレーション(CFD)で検討して設計の指針が得られ、実際にノズルを製作して、銅粉末にて皮膜の付着率や組織,スプレーパターンなどを評価し、CFDの結果を検証できた。特に、CFDで飛行粒子の分布やそれらの速度分布もわかるようになり、実験によるスプレーパターンとの関連がつけられるようになり、また、ノズル末広部長さが平行部長さよりやや長い方が皮膜を平坦化でき、ノズル平行部も必要であることが実験でも確認できた。ノズルコーナー形状に関しては、予測していた角部を丸める方が粒子速度が幾分高いことがCFDで検証できた。一方、アルミニウム粉末に関しては、ノズル内への付着が課題となるため、ノズルの材質を変更して次年度に行うことにした。 コールドスプレー皮膜で重要となる基材との密着状態に関しては、FE-SEMやTEMによる観察を行い、アルミニウム皮膜との密着強さは、窒化アルミ基材の方がアルミナ基材より大きくなる要因の一つとして結晶構造に因る格子不整合の割合の差も一因が示唆され、観察結果では、アルミナ基材とアルミ皮膜の間に数十nm程度の隙間が観察された。 高圧仕様の局部流動床方式粉末供給装置を用いたコールドスプレーの成膜実験を行い、ガス圧が数MPaでは、現状では難しいことがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
申請時の計画に比べて、市販の数値流体力学ソフト(ANSYS FLUENT Ver.15.0)の使いこなすのに、やや時間がかかってしまったが、飛行粒子の分布やその速度がわかるようになった。アルミニウム粉末は、ノズル内への付着が課題となるためノズルの材質を特殊な樹脂を使用する必要があるが材料費は高価なため、まずステンレス鋼製のノズルを数種試作して行ってから取り組む予定でいたが、ステンレス鋼製のノズルの設計に時間を要してしまった。次年度は、特殊な樹脂製矩形断面ノズルを製作して、アルミニウムの薄い平坦な皮膜を作製して、さらにその上の銅を成膜して、評価を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
アルミニウム粉末は、ノズル内への付着が課題となるためノズルの材質を特殊な樹脂を使用する必要があるが材料費は高価なため、まずステンレス鋼製のノズルを数種試作して行ってから取り組む予定でいたが、ステンレス鋼製のノズルの設計に時間を要してしまった。次年度は、特殊な樹脂製矩形断面ノズルを製作して、アルミニウムの薄い平坦な皮膜を作製して、さらにその上の銅を成膜して、評価を行う。 また、高圧仕様の局部流動床方式粉末供給装置を用いたコールドスプレーの成膜実験を行い、ガス圧が数MPaでは現状では難しいことがわかり、ノズルへの粉末投入位置をこの粉末供給装置で対応できる部位に数値シミュレーンなどで検討する。
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Causes of Carryover |
当初計画していたアルミニウム粉末による皮膜作製実験が今年度中にはできなかったため、その費用を繰り越した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度請求額と合わせてアルミニウム粉末による成膜実験を行う。
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Research Products
(7 results)