2015 Fiscal Year Research-status Report
日本周辺領域における船舶起源大気汚染物質の排出インベントリー作成と大気質計算
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15K06631
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Research Institution | National Maritime Research Institute |
Principal Investigator |
横井 威 国立研究開発法人 海上技術安全研究所, その他部局等, 研究員 (20586698)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
城田 英之 国立研究開発法人 海上技術安全研究所, その他部局等, 研究員 (40344238)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | AIS / 大気質 / NOx / SOx / PM / エミッションインベントリ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は船舶起源大気汚染の現状把握・将来予測を行い、大気汚染の評価・防止に資することを目的とする。そのため、日本周辺海域を航行する船舶や、国内港湾に停泊する船舶の主機および補機の排ガスに含まれる大気汚染物質(NOx、SOx、BC、PM2.5等)の濃度拡散問題に対応する。 本年度は日本周辺領域を対象とし、2陸上局により受信されたAIS(自動船舶識別装置)データに基づき、年間単位の船舶位置、サイズ、長さ、船籍等の情報を抽出した。また、船種・船型ごとの時間帯別・曜日別に船舶の活動量(速度、航海時間、隻数)を算出した。さらに、内航船舶明細書等のデータにより、船舶の全長から対象船の総トンおよび主機の種類を推定し、燃料消費量を算出する。500トン以下のAIS非搭載船の活動量の推定について、港湾統計を用いて入港隻数の比率を求め活動量および燃料消費量を推定した。漁船の活動量に関しては、漁船によって使用されたエネルギー量の統計値を漁業形態別、漁業海区別に配分するトップダウン方式に推定した。 本年度の研究成果により、船舶起源大気汚染物質を算定する基礎データを整備することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
計画の練り直しを実施し、研究作業の効率化を図ったためである。
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Strategy for Future Research Activity |
船舶動静情報に基づき、船舶起源大気汚染物質の排出量データを作成する。さらに、PM2.5、NOx、SOxやO3等に着目して日本周辺における大気質モデル(CMAQ)の計算を実施する。また、領域境界条件や鉛直層に関する最適な設定を見い出した後、プロセス解析、感度解析、計算値と観測値の比較検証を通して、大気質モデルの計算精度の向上を図る。
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Causes of Carryover |
研究計画の変更に伴う予算執行の変更です。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
新しい予算執行の計画に従い、使用する予定です。
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