周辺磁気流体不安定性の先進的制御と物理に関する実験的研究

2015 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 15K06659
• Research Institution: Japan Atomic Energy Agency
• Principal Investigator: 松永 剛 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門 那珂核融合研究所, 研究員 (10391260)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 相羽 信行 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門 六ヶ所核融合研究所, 研究員 (20414584) ; 篠原 孝司 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門 那珂核融合研究所, 研究員 (50354600) ; 浦野 創 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門 那珂核融合研究所, 研究員 (70391258)
• Project Period (FY): 2015-04-01 – 2018-03-31
• Keywords: 核融合炉 / ダイバータ熱負荷 / 周辺プラズマ / 三次元磁場 / ストキャステック磁場領域

Outline of Annual Research Achievements

核融合炉におけるダイバータへの熱負荷低減を目的に、完結的な熱負荷を発生する「周辺局在化モード(ELM)」の先進的制御の手法を提案している。その一つであるトロイダル磁場コイルを用いた共鳴磁場生成(トロイダル磁場変調)について、三次元磁場、三次元平衡を用いた詳細な磁力線追跡コードの開発・改良を実施した。特に三次元磁場に影響されやすい周辺プラズマ領域を詳細に調査し、熱負荷を受けるダイバータターゲットへの磁力線入射角、入射位置、磁力線連結長などを統計的に解析した。その結果、トロイダル磁場変調によって印加した三次元磁場により、ELM制御に必要とされる周辺磁場のストキャスティシィティを確保しつつ、ダイバータターゲット上での磁力線入射位置が分散することを確認した。これは、原型炉において共鳴磁場コイルを用いず、トロイダル磁場コイルのみで、ダイバータ熱負荷を緩和できることを示唆する。また並行して、実験的に本手法を立証するために小型トカマク装置において、トロイダル磁場コイルを用いた三次元磁場印加実験を進めるための環境を整備した。

Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当該年度の主な研究目標はのうち、トロイダル磁場コイルを用いた共鳴磁場生成について、当初計画どおり、磁力線追跡と高速イオン軌道計算を実施した。また、ダイバータターゲットへの磁力線入射の変化を詳しく調べるため解析コードを改良し、より詳細かつ定量的な解析結果を得ることができた。ただ、予定していた外国実験装置での実験提案が、スケジュール等の関係で見送ることなったため、高速イオンを用いたELM制御については、予定通りの進展が得られなかった。一方で、トロイダル磁場コイルを用いた共鳴磁場生成を立証を目的として、国内の小型トカマク装置において実験環境を整備するなど、当初計画を拡張し進展した。

Strategy for Future Research Activity

初年度の研究計画の進捗に合わせ実施計画を再吟味し、以下の項目を実施する。
まず、初年度得られた成果を精査しながら、高速イオン軌道への影響をさらに定量的に調べ、まとまった結果を国際会議等で発表し論文投稿する。また、引き続き外国装置において、高速イオンを用いたELM制御実験の実施を模索し調整を進める。また、当初計画を拡張して開始しているトロイダル磁場コイルを用いた共鳴磁場生成の立証実験を国内の小型トカマク装置を用いて実施する。

Causes of Carryover

当初予定していた国際会議等の外国出張が実施できなかったため。

Expenditure Plan for Carryover Budget

国際会議等の外国出張旅費として使用する。