2015 Fiscal Year Research-status Report
光操作を用いた単一スパインレベルのAMPA受容体機能解析
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15K06713
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
竹本 研 横浜市立大学, 医学部, 助教 (80466432)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 光操作 |
Outline of Annual Research Achievements |
学習記憶の分子機構を神経ネットワークレベルで解析する場合、シナプス活動を可視化するだけでなく、操作する光学的技術が重要である。申請者はAMPA受容体の一つであるGluA1ホモマーを光で特異的に機能破壊し、in vivoで海馬記憶を消去する新技術の開発に成功した。他方、CALI法を用いて分子を特異的に操作する場合、その分子特異性が重要である。本研究ではまず、これまでに開発したGluA1のCALI法の分子的及び空間的特異性を明らかにする実験を進めた。これまでにGluA1ホモマー特異的阻害剤NASPMを持ちいて急性スライスレベルでCALIの分子特異性を示すことに成功した。さらにGluA1 KOマウスの海馬初代培養を用いて、in vitroにおけるGluA1に対する特異性を示し、現在in vivoでの解析を進めている。また、anti-IgG-Fabをエオシンラベル化し、Z9139抗体との間にブリッジとして挿入しGluA1とZ9139との距離を広げた場合、CALI効果は劇的に減少することを示した。これはCALIの特性と一致すると示唆された。加えて、海馬学習の際に関係のないことが分かっている聴覚野に光を当てても、記憶は消去されないことも示した。以上二点は本技術の空間的特異性を示すものである。また現在、二光子顕微鏡上にホールセルパッチクランプ装置を設置し、イメージングと光照射をしながら電気生理を行う実験系を構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初は最初からローカルに光照射を行い、単一スパインレベルの解析を行い予定であったが、論文投稿時のレビューで特異性を示すことが多く求められた。特に本研究が目指す、単一スパインレベルの解析では空間的特異性は非常に重要であると考えられ、本年度はその検証に時間を費やし、分子・空間特異性を示すことに成功した。さらに二光子顕微鏡上でホールセルパッチクランプを行うシステムも立ち上げた。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度は論文改訂で要求されたことに対応するために、予定外の実験を多く進める必要が出たが、その成果として本技術の特異性に関するデータを十分に固めることが出来た。今年度は予定通り、単一スパインレベルの操作とイメージングを進める。
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Research Products
(3 results)