2016 Fiscal Year Research-status Report
ニューロンおよびグリア細胞における核膜構築タンパク質の多様性
Project/Area Number |
15K06747
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
高森 康晴 関西医科大学, 医学部, 研究員 (50309233)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 神経科学 / 細胞・組織 / タンパク質 / 脳・神経 / 発生・分化 / 核膜 / 核ラミナ / ラミン |
Outline of Annual Research Achievements |
1.成獣ラットの脳を用いて、各種グリア細胞におけるラミン・サブタイプの構成パターンを免疫染色学的に解析し、比較考察を行なった。アストロサイト、ミクログリア、成熟オリゴデンドロサイト、未成熟なオリゴデンドロサイト(NG2陽性細胞)など細胞腫ごとにラミン・サブタイプの構成に違いがあることがわかってきた。この解析は本研究課題と密接に関わる研究テーマである。 2.成獣ラットの脳を用いて、脳に存在する成熟ニューロンにおけるラミン・サブタイプの構成パターンを免疫組織学的に解析し、比較考察を行なった。ラミンA/Cにはスプライシング・バリアントとしてラミンAとCがあるが、脳の特定の部位においてはラミンAとラミンCの染色パターンに違いが見られることがわかってきた。成熟ニューロンにもラミン・サブタイプの構成に多様性があることを明らかにしつつある。 3.成獣ラットの脳を用いて、脳に存在するニューロンおよびグリア細胞におけるラミン結合タンパク質の構成パターンを免疫組織学的に解析し、比較考察を行なった。分子種としてはLAP1、LAP2-beta、LBR、またクロマチン構成タンパク質の解析を行なった。これらの核膜構成タンパク質についても細胞腫ごとに構成パターンが異なることを明らかにしつつある。 4.成体における既知のニューロン新生領域、および近年報告されてきた新規のニューロン新生領域の各種分化マーカータンパク質の免疫染色を行ない、各種分化段階の細胞におけるラミン・サブタイプの解析の準備実験を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
グリア細胞におけるラミンサブタイプの構成パターンの解析の結果の再確認、また多重染色をするさいの染色条件の設定などに時間がかかっている。グリア細胞おけるラミンについては結果をまとめて論文にする予定でその準備にも時間がかかっている。
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Strategy for Future Research Activity |
グリア細胞におけるラミンサブタイプの構成パターンの解析の結果をまとめて先に論文にする予定である。成体の脳における各種ニューロンにおけるラミンサブタイプの構成パターン、脳における神経系細胞におけるラミン結合タンパク質の解析、新規ニューロン新生領域の解析は、ともに免疫染色学的な解析を行なうため、並行して行う予定である。
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Causes of Carryover |
既存の器具、試薬、切片標本の使用が多かった。また論文作成の準備のため新規の購入が少なかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究が軌道に乗れば、新規の器具や試薬の購入が増える予定である。
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