2016 Fiscal Year Research-status Report
ヒトT細胞白血病ウイルス感染症モデルマウスにおけるDokファミリー分子の発現解析
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15K06806
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Research Institution | Rakuno Gakuen University |
Principal Investigator |
大杉 剛生 酪農学園大学, 獣医学群, 教授 (00211102)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | HTLV-1 / Tax / 遺伝子改変マウス / DOK1 / DOK2 / DOK3 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトT細胞白血病ウイルスI型(HTLV-1)は、長い潜伏期の後、成人T細胞白血病(ATL)、HTLV-1関連脊髄症(HAM)およびぶどう膜炎(HU)など多様な疾患を引き起こす。我々は、ヒト白血病ウイルスI型(HTLV-1)Tax遺伝子の発現が、がん抑制遺伝子DOKの発現を低下させることを報告してきた。In vitroでは、検査したすべてのATL由来細胞株で、検査したDOK1、DOK2およびDOK3のうち、DOK2およびDOK3が有意に対照としたJurkat細胞株に比較し低下していた。DOK1に関しては細胞株によって変動がみられた。Jurkat細胞に一時的にTaxを発現させるとDOK1およびDOK2の発現には変化がみられなかったが、DOK3の低下が観察された。Taxを発現するTaxトランスジェニック(Tax-Tg)においても、T細胞白血病およびHAM様症状を伴う組織球肉腫マウスで低下が観察されている。これら疾患は通常12か月齢頃から発症がみられる。今回、Tax-Tgマウスの加齢によるDOK遺伝子発現の推移を検索した。Tax遺伝子発現は、生後2か月からはほぼ一定であることがわかっている。Tax-TgマウスのDOK1およびDOK3発現は、同腹のTax遺伝子を発現していないマウス(non-Tg)と比較し低い傾向はみられたものの有意差はなかった。一方、DOK2はすでに5-6か月齢で有意に低下しており、Tax発現との関連が示唆され白血病発症の前段階として重要である可能性がある。一方、T細胞白血病を引き起こしたマウスでは、DOK1、DOK2およびDOK3が有意に低下しており、癌化にはDOK2の低下とさらに他のDOK遺伝子発現低下が必要なのか、あるいは癌化によって他のDOK遺伝子発現が低下するのか今後検討する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
加齢によるDOK遺伝子発現についてDOK2遺伝子がT細胞白血病発症前に低下していることを見出したのは大きな成果であったが、タンパクレベルでの検証がない。マウス組織から抽出したタンパクに対する良い市販抗体を入手できなかったからである。また、DOKノックアウトマウスとTax-Tgマウスの交配による実験も計画していたが、諸般の事情により、遺伝子改変マウスの導入がきびしい状況があった。
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Strategy for Future Research Activity |
DOK遺伝子発現レベルの検索はできたが、タンパクレベルでのDOK発現解析はいまだできていない。Tax発現にともなうDOKタンパクの発現をウエスタンブロットにより、細胞および生体レベルで実施し、DOKタンパクの関与を解析する必要がある。
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Causes of Carryover |
DOK遺伝子ノックアウトマウスの飼育に飼料および床敷等の飼育経費を計上していたが、諸般の事情により、遺伝子改変マウスの導入が困難になったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
DOK遺伝子の発現レベルに関しては、解析が進んだ。一方でタンパクレベルの解析については進んでおらず、主にDOKタンパクの解析経費として予定している。
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[Journal Article] Evaluation of a combination of alfaxalone with medetomidine and butorphanol for inducing surgical anesthesia in laboratory mice.2016
Author(s)
Higuchi, S., Yamada, R., Hashimoto, A., Miyoshi, K.,Yamashita, K. and Ohsugi, T.
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Journal Title
Japanese Journal of Veterinary Research
Volume: 64
Pages: 131-139
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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[Presentation] Development and molecular analysis of synthetic lethality by targeting EZH1/2 in ATL and HTLV-1-infected cells.2017
Author(s)
Yamagishi, M., Hori, M., Fujiwara, D., Honma, D., Adachi, N., Ohsugi, T., Nakano, K., Nakashima, M., Kobayashi, S., Iwanaga, M., Utsunomiya, A., Tanaka, Y., Okada, S., Tsukasaki, K., Toninai, K., Araki, K., Watanabe, T. and Uchimaru, K.
Organizer
18th International Conference on Human Retrovirology HTLV and Related Viruses
Place of Presentation
ホテルグランドアーク半蔵門(東京都)
Year and Date
2017-03-07 – 2017-03-10
Int'l Joint Research
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[Presentation] Tamoxifen inhibits the infiltration of human T-cell leukemia virus type 1-infected cells into organs in a mouse model of adult T-cell leukemia.2017
Author(s)
Tanaka, Y., Kozuka, T., Yamagishi, M., Hirose, T., Nagano, Y., Nishii, R., Kitamura, H., Takehana, K., Watanabe, T. and Ohsugi, T.
Organizer
18th International Conference on Human Retrovirology HTLV and Related Viruses
Place of Presentation
ホテルグランドアーク半蔵門(東京都)
Year and Date
2017-03-07 – 2017-03-10
Int'l Joint Research
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