2017 Fiscal Year Research-status Report
電気物性を指標とした組織幹細胞の単一解析技術の開発
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15K06853
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
馬渕 洋 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 助教 (50424172)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤澤 智宏 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 教授 (80291160)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | Single cell 解析 / 間葉系幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在までに、蛍光色素や抗体などの標識なしで細胞性質を分析する技術の開発を目指し、幹細胞に特異的な電気物性の探索を行ったところ、細胞の「比誘電率」が異なることを明らかにしている。そこで本年度は、幹細胞の性質変化に伴い遺伝子発現がどのように変化するかを解析することにした。生後0日から3日のマウスの四肢から組織を採取し、コラゲナーゼ処理後、細胞を抽出した。384 wellプレートに対しSingle cell sortingを行い、細胞からRNAを採取、逆転写・増幅を経て、単一細胞の遺伝子発現を調べた。その結果、複数の組織間葉系細胞の集団を同定することに成功した。また、培養前・後を比較したところ、培養を経ることで各集団の遺伝子発現が変化することが観察された。更に、単一細胞遺伝子解析と、細胞表面抗原の発現をIndexすることで、表面抗原と遺伝子発現相関について解析を進めた。筋組織及び骨髄におけるCD146陽性細胞はSox10 (venus)の発現量が高く、培養後もSox10陽性を維持したまま培養することが可能であった。また、CD146陽性および間葉系マーカーが陰性である集団から、培養を経ることで間葉系マーカーを発現する細胞集団へと転換していることが分かった。クローナルに解析した培養系においても、骨・軟骨・脂肪に分化することを確認した。現時点で得られている結果からは、培養前には間葉系幹細胞の表面抗原を発現していない少数の細胞集団が、培養後の間葉系幹細胞集団を作り出す可能性を示唆するデータが得られている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた実験を遂行し、予想の範囲内の実験結果が得られている。培養前後における細胞の遺伝子解析は順調に進んでいる。現在詳細なデータ解析を進めている段階であるが、今後は、マウス四肢組織以外の様々な細胞を対象として実験対象を広げていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は引き続き、単一細胞レベルでの遺伝子解析を進めていく予定である。また、組織損傷モデル(放射線照射等)における細胞集団の遺伝子変化を調べていくことで、環境応答性の組織幹細胞集団を同定し、既存の幹細胞マーカーとの比較を行う予定である。また得られた結果を元に、発表及び研究論文としてまとめていきたいと考えている。
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Research Products
(11 results)