2016 Fiscal Year Research-status Report
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15K06999
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
浄住 大慈 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任助教(常勤) (70452430)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 細胞外マトリックス |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞外マトリックスが持つさまざまな生理機能はこれまで生化学的手法によって明らかにされてきたが、未知の生理機能を明らかにするための手段としては今日十分なものとは言えない。特に生殖研究においては、配偶子の形成や精子と卵の細胞間相互作用である受精といった過程に細胞外マトリックスが積極的に関与しているにも関わらず、生化学的手法の適用が難しいためその作用機序は十分明らかにされていない。そこで本研究では、次世代型ゲノム編集技術を積極的に利用することによって、生殖において細胞外マトリックスが持つ未知の生理機能を分子レベルで明らかにする。 前年度までに、CRISPR/Cas9法を用いて、細胞外マトリックス関連遺伝子について、6系統の新規ノックアウトマウスを作製し、また別途入手したノックアウトマウス1系統を併せて妊孕性の解析を行い、その結果1系統の雄について妊孕性の異常を見出した。この結果から、雄の妊孕性に細胞外マトリックスが関与していることが示唆された。この1系統についてより詳細な表現解析を行った。その結果、このノックアウトマウスの精巣上体の細胞外環境に異常が生じていることが明らかとなった。さらにトランスクリプトーム解析を行った結果、80以上の遺伝子についてその発現が有意に低下していることが明らかとなった。これらの遺伝子の中から、プロテアーゼなど細胞外マトリックスや細胞外環境の修飾に関わると推定される遺伝子2種について、CRISPR/Cas9法を用いてさらにノックアウトマウスを作製した。その結果、1系統においては細胞外環境に大きな異常をきたし、もう1系統においては細胞外環境の異常に加えて不妊の表現型が得られた。 これらの結果から、複数の因子によって細胞外マトリックス・細胞外環境が適切に構築されることが雄の妊孕性獲得のために必須であることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画に従って研究を進めた結果、不妊の原因となる細胞外マトリックス因子を同定しその機能の発生学的意味付けただけでなく、その機能発現の分子基盤にかかわる想定外の因子をも同定することが出来た。本研究は予期していた以上に充実した成果を挙げており当初の計画以上に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題はこれまで順調に進展しており、今後も研究計画に沿って推進する。また計画に従って研究を推進するだけでなく、これまでに得られた研究成果に基づいて先行研究や当初の提案仮説を再検討することで、生殖における細胞外マトリックスの機能について新たなドグマ提起の可能性を探索していく。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Genome engineering uncovers 54 evolutionarily conserved and testis-enriched genes that are not required for male fertility in mice.2016
Author(s)
Miyata H, Castaneda JM, Fujihara Y, Yu Z, Archambeault DR, Isotani A, Kiyozumi D, Kriseman ML, Mashiko D, Matsumura T, Matzuk RM, Mori M, Noda T, Oji A, Okabe M, Prunskaite-Hyyrylainen R, Ramirez-Solis R, Satouh Y, Zhang Q, Ikawa M, Matzuk MM.
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Journal Title
Proc Natl Acad Sci U S A.
Volume: 113
Pages: 7704-7710
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research