2016 Fiscal Year Research-status Report
モヤモヤ病感受性因子RNF213が制御する脂質代謝とオートファジー制御の関連解析
Project/Area Number |
15K07044
|
Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
土生 敏行 武庫川女子大学, 生活環境学部, 准教授 (70346071)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | オートファジー / モヤモヤ病 / 脂肪滴 |
Outline of Annual Research Achievements |
RNF213タンパク質は脳内頚動脈の閉塞を伴うモヤモヤ病の感受性因子であるが、その機能は明らかではない。タンパク質の一次構造から、AAAタイプATPaseとRingフィンガータンパク質に共通のZn fingerドメインを持つ。一方、細胞での機能も不明であるが、培養細胞を用いた実験より、脂肪酸の取込の上昇と脂肪滴の形成に何らかの機能を持つことを明らかにし、本年度はその機能とドメイン構造との関連を明らかにしてきた。その結果、Ringフィンガードメインはこの脂肪酸取り込みや脂肪滴形成には必要でないが、ATPase活性は関与することを明らかにしてきた。また油滴形成に伴いオートファゴソーム形成にも関与し、同様にATPase活性がその機能に関わることを明らかにしてきた。 一方脂肪滴形成や脂肪酸の取込能への関与から糖代謝への影響を調べていった結果、RNF213タンパク質は脂肪酸取り込能に伴い、糖代謝特にグルコースの取込を変化させることが明らかとなった。また我々の共同研究からRNF213タンパク質はチロシン脱リン酸化酵素であるPTP1Bにより負に制御し、α-ケトグルタル酸の活性を抑制することで非ミトコンドリア酸素消費を調節していることを明らかにしている。これらのことからRNF213は酸素レベルに応じたミトコンドリア呼吸鎖、糖代謝、脂肪酸代謝を調節していることを示している。これらのことを総合し、酸素レベルに応じた脂肪滴形成とオートファゴソーム形成と代謝の関連性を調べていく予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
RNF213の細胞内機能を代謝と関連させながら、オートファジーの調節とリンクしていることを明らかにできている。またこの機能にAAA ATPase活性が必要であることも示すことができた。これらを基にトランスジェニックマウスの解析が可能になってきた点でも順調に進んでいると思われる。
|
Strategy for Future Research Activity |
RNF213タンパク質のAAA ATPase活性がどのように油滴形成に関わってくるのかに関しては、明らかにできていない。今後変異体を作成し、ATPase活性を調節できるようにすることでその役割を明らかにできると想定している。これに関しては当初の目的には示してはないが、最も注目される部分で、モヤモヤ病解明につながると考えている。
|
Causes of Carryover |
初年度から繰り越した細胞培養に使用した試薬やマウス実験での残額を使用せず昨年度の予算範囲内で使用したために残額が生じた。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
所属の変更のため初年度の実験計画が全て完了しなかったたが、二年次にはほぼ計画通りの実験を行うことができた。残りの一年で初年度の実験を追加して行う計画である。
|
-
[Journal Article] PTP1B controls non-mitochondrial oxygen consumption by regulating RNF213 to promote tumour survival during hypoxia2016
Author(s)
Robert S. Banh, Caterina Iorio, Richard Marcotte, Yang Xu, Dan Cojocari, Anas Abdel Rahman, Judy Pawling, Wei Zhang, Ankit Sinha, Christopher M. Rose, Marta Isasa, Shuang Zhang, Ronald Wu, Carl Virtanen, Toshiaki Hitomi, Toshiyuki Habu, et al
-
Journal Title
NATURE CELL BIOLOGY
Volume: 18
Pages: 803-813
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
-
[Journal Article] RNF213 rare variants in Slovakian and Czech moyamoya disease patients2016
Author(s)
Hatasu Kobayashi, Miroslav Brozman, Kateina Kyselova, DaaViszlayova, Takaaki Morimoto, Martin Roubec, David koloudik, Andrea Petroviova , Dominik Juskani,Jozef Strauss , Marian Halaj, Peter Kurray , Marian Hranai, Koji Harada, Sumiko Inoue ,Toshiyuki Habu, Roman Herzig , Akio Koizumi
-
Journal Title
PLOS ONE
Volume: 11
Pages: e0164759
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research