2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K07062
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
森戸 大介 京都産業大学, 総合生命科学部, 研究員 (20514251)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ミステリン / モヤモヤ病 |
Outline of Annual Research Achievements |
モヤモヤ病は日本・中国・韓国に多い原因不明の脳血管疾患で、内頸動脈分岐部での血管の狭窄・閉塞と、それによる深刻な脳虚血・脳出血を特徴とする重篤な疾患である。モヤモヤ病患者の遺伝解析から、新規巨大遺伝子ミステリンのミスセンス変異がモヤモヤ病罹患リスクを著しく上昇させることを見出していたが、ミステリンの生理機能およびミスセンス変異がどのような分子・細胞レベルでの影響を及ぼし、発病につながっているのか、不明のままであった。これまでの解析から、ミステリンは2つのAAA+ ATPアーゼモジュールと1つのユビキチンリガーゼドメインを持つ特徴的なタンデムAAA+ ATPアーゼ/ユビキチンリガーゼであり、AAA+ ATPアーゼモジュールを介して巨大なドーナツ状複合体を形成して、ATP結合・加水分解に共役して複合体状態を変化させることで、何らかの細胞内物理プロセスに寄与することが示唆されていた。また、ゼブラフィッシュを用いた解析から、ミステリンが生理的血管新生・血管ガイダンスに必須の因子であることを明らかにしていたが、さらに、ミステリンがこれら2つの酵素活性を介して運動系(速筋・筋パイオニア・一次運動神経等)の形成にも必須の役割を果たしていることを明らかにした。また、培養細胞を用いて、ミステリンの細胞内局在・結合タンパク質に焦点をあてた検討を行い、ミステリン個体機能の基盤となる細胞内機能を示唆する結果を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ミステリンの個体機能および酵素活性の重要性について論文発表し、また、その基盤となる細胞内機能について、当初の予定に沿って解析を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
ミステリン細胞内機能解明のため、結合タンパク質・細胞内局在・刺激応答性に焦点をあてた検討を進める。また疾患関連変異の影響についても検討を行う。
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[Journal Article] Proteotoxic stress and ageing triggers the loss of redox homeostasis across cellular compartments.2015
Author(s)
Kirstein J, Morito D, Kakihana T, Sugihara M, Minnen A, Hipp MS, Nussbaum-Krammer C, Kasturi P, Hartl FU, Nagata K, Morimoto RI.
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Journal Title
The EMBO Journal
Volume: 34
Pages: 2334-49
DOI
Peer Reviewed