2016 Fiscal Year Research-status Report
ストリゴラクトン生合成経路から分岐する真の枝分かれ抑制ホルモン
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15K07093
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| Research Institution | Utsunomiya University |
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Principal Investigator |
野村 崇人 宇都宮大学, バイオサイエンス教育研究センター, 准教授 (60373346)
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| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | 植物ホルモン / ストリゴラクトン / 生合成 / 枝分かれ |
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| Outline of Annual Research Achievements |
これまでに研究代表者は、植物の枝分かれ抑制ホルモンであるストリゴラクトン（SL）の生合成経路で働くMAX1酵素の機能を明らかにした。シロイヌナズナのMAX1はSL前駆物質カーラクトン（CL）のC-19位をカルボキシル基まで酸化してカーラクトン酸（CLA）を生成する酵素であった。そのメチルエステル体のカーラクトン酸メチル（MeCLA）はSL受容体AtD14と相互作用することも明らかにした。これらの結果から、典型的な4環性のSL骨格を有しない2環性のCL誘導体が枝分かれ抑制ホルモンの活性体として機能している可能性が示された。本研究では、真の枝分かれ抑制ホルモンを明らかにすることを目的としている。
イネのMAX1ホモログの一つであるCYP711A2はCLから4環性の4-デオキシオロバンコール（4DO）へ変換させることが明らかになっている。CYP711A2を酵母のミクロソームにおいて発現させて、CLを基質としてインキュベーションさせ、その代謝物を探索した。その結果、18-hydroxyCLAと推定される代謝物が検出された。その推定代謝物は、シロイヌナズナのMAX1によるCL代謝物には検出されないことから18-hydroxyCLAはCLAから4DOへの環化反応の中間体であると考えられた。
オーストラリアクイーンズランド大の協同研究者によってMAX1の下流で働く新規SL生合成酵素遺伝子LBOが単離された。LBOタンパク質を大腸菌において発現させ、代謝実験を行った。その結果、LBOはMeCLAを基質として、16 Daが付加された代謝物を生成することが明らかとなった。さらに、重水素標識したMeCLAを用いた代謝実験を行った。その結果、LBOはMeCLAのメチルエステルのメチル基を水酸化することが明らかとなった。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初は、ジャスモン酸のように、CLAのアミノ酸縮合体が活性本体である可能性を調べる研究を進めていた。しかしながら、昨年度の研究結果により、CLAのアミノ酸縮合経路は存在していても活性化段階に重要な経路ではなく、そのメチルエステル体であるMeCLAへ流れる経路が活性本体への主流であると推測された。そして、MeCLAを水酸化してさらに活性を上昇させる新規SL生合成酵素LBOの存在を明らかにした。この発見は、SL生合成経路の解明において重要な発見となり、その研究成果は米国アカデミー紀要に掲載された。
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| Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究により、MAX1はCLからCLAへの変換が植物界において共通の反応であることを明らかにした。そして、CLAのメチルエステル体であるMeCLAを基質とするLBOの存在を明らかにした。シロイヌナズナのlbo変異体はmax1変異体よりも枝分かれの増加が弱い表現型を示す。このことからLBOはSL受容体に結合能をもつMeCLAをさらに生理活性の高い構造に変換して真の活性本体を生成する酵素である可能性が高い。LBOによりMeCLAは水酸化される。しかしながら、それが活性本体としての最終産物であるかは結論が出ていない。そのため、今後もLBOの酵素機能の解析を進める。また、枝分かれ抑制における4環性のSLと2環性のMeCLA誘導体の役割を明らかにするため、その経路の分岐を決めているMAX1の酵素機能の解析もさらに進める。
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[Journal Article] LATERAL BRANCHING OXIDOREDUCTASE acts in the final stages of strigolactone biosynthesis in Arabidopsis2016
Author(s)
Brewer P.B., Yoneyama K., Filardo F., Meyers E., Scaffidi A., Frickey T., Akiyama K., Seto Y., Dun E.A., Cremer J.E., Kerr S.C., Waters M.T., Flematti G.R., Mason M.G., Weiller G., Yamaguchi S., Nomura T., Smith S.M., Yoneyama K., Beveridge C.A.
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Journal Title
Proc. Natl. Acad. Sci. U S A
Volume: 113
Pages: 6301-6306
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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