2016 Fiscal Year Research-status Report
ウミヘビ類の比較ゲノムに基づく海洋環境適応進化の分子的基盤の解明
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15K07184
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岸田 拓士 京都大学, 野生動物研究センター, 特定助教 (40527892)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ゲノムアセンブル / クロガシラウミヘビ / ヒロオウミヘビ / RNA-seq / 海洋環境適応進化 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度作成したゲノムDNAライブラリに基づいて、ウミヘビ類2種のゲノムアセンブルを完了した。また、これらのウミヘビ2種の各部位の遺伝子発現解析(RNA-seq)を行った。こうしたデータを利用して、近縁種である陸棲ヘビ類の遺伝子アノテーション情報も利用しながら、ウミヘビ類のゲノム配列における遺伝子レパートリーのアノテーションを行う。 現時点ではまず、化学感覚受容体レパートリーに関する比較解析を行っており、その結果、受容体遺伝子の数は陸棲ヘビ類>両棲ウミヘビ類>海棲ウミヘビ類であることが示唆された。この結果は、これまで研究代表者が偶蹄類と鯨類の比較ゲノム研究で解明した結果と一致しており、鯨類とウミヘビ類との間で、海洋環境適応に伴う収斂進化が確認された。また、これまで扱いが難しかった両棲種に関しても、海洋環境への適応進化に際してまさしく「中間型」と位置付けられることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2016年度はゲノムアセンブルのアノテーションまで手がけることができており、おおむね予定通り進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、感覚受容体遺伝子レパートリーだけでなく他の遺伝子も網羅的に解析を行う予定である。特に、海洋環境への適応進化に伴って失われる遺伝子だけでなく、新たに獲得される遺伝子の探索を行いたい。 得られた結果は学会等で発表するとともに、順次英文論文にまとめて投稿する予定である。
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Causes of Carryover |
本年度にウミヘビ類の遺伝子発現の解析(RNA-seq)を行ったが、当該解析に要する費用を、他の財源により賄うことができたため、余剰が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本余剰資金を利用して、本年度はウミヘビ類の組織化学的・生理学的な実験を行う予定である。こうした実験によって、海洋環境への適応進化に伴うゲノムの変化だけでなく、形態や生理の変化も記載することが可能となる。
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Research Products
(6 results)