2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K07285
|
Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
山根 健治 宇都宮大学, 農学部, 教授 (60240066)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒倉 健 宇都宮大学, 農学部, 講師 (10650898)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 奇形花 / 花芽分化ステージ |
Outline of Annual Research Achievements |
カーネーション‘シェリー’における異常花が発生する花芽分化ステージについて検討した.正常および異常花系統株を供試し,異常発生を誘導条件である15℃および非誘導条件である20℃の温度下で栽培し、異常花の発生を調査し,花芽の発育を観察した.花芽を採取し,パラフィン切片法,三重染色法を用い,縦断切片を顕微観察した.また,花芽を実体顕微鏡および走査型電子顕微鏡で観察した.花芽分化ステージは古里ら(1967)を参考にⅠ未分化,Ⅱ膨大期,Ⅲがく片形成期,Ⅳ花弁形成期,Ⅴ雄雌ずい形成期,Ⅵ胚珠花粉形成期,Ⅶ花芽完成期として判別した.栄養成長期に尖っていた成長点が扁平になり花芽分化が開始した.花芽の分化開始からガク片形成期までは,正常花と異常花系統間に差異は認められなかった.花弁形成期において差異が認められ,異常花では花弁形成が不均一で遅れる傾向が認められた.雄雌ずい形成期において,異常花では花弁が形成されておらず,複数の雌ずいが形成されているものがあった.以上のように異常花においては,花弁形成期から形態的異常が生じ,花弁形成が遅れ, 雄雌ずい形成期には雌ずいの連続的な形成および花器官の重複が始まることが明らかとなった.さらに,異常発生の原因を特定するために,正常と異常系統株のシュートからゲノムDNAを抽出し,リシークエンスを行い,変異箇所の探索を行った.結果をデータベース上の既知のゲノム配列にマッピングし,正常と異常株を比較したところ,多くのSNPが見つかった.今後,原因遺伝子を絞り込む必要がある.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
カーネーション奇形花の原因について,これまでに温度条件が重要であることと,花芽分化の花弁形成期に正常と異常の差異が発生することを明らかにした.また,正常および異常系統株のゲノムのリシークエンスを完了しており,原因解明に向けて順調に研究が進んでいると考える.
|
Strategy for Future Research Activity |
正常花と異常花における遺伝子発現のトランスクリトーム解析を行い,原因遺伝子の絞り込みを行う.また,ファイトプラズマについても専門家の協力を得ながら,検討していく.
|
Causes of Carryover |
遺伝子解析についての経費において,委託解析によって余剰が生じたため.
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
正常花と奇形花についての遺伝子発現差解析,研究成果発表などに使用する.
|
Research Products
(1 results)