Elucidation of a molecular mechanism of inflorescence development in Tricyrtis spp.

2017 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 15K07287
• Research Institution: Niigata University
• Principal Investigator: 中野 優 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (00262460)
• Project Period (FY): 2015-04-01 – 2018-03-31
• Keywords: ホトトギス属植物 / 花序形成 / LEAFY遺伝子 / TFL1遺伝子 / 花き園芸植物 / 形質転換

Outline of Annual Research Achievements

本研究は，ホトトギス属植物における花序形成分子メカニズムの解明を目的として，異なる花序形態を示す2種のホトトギス属植物 (ホトトギスおよびタイワンホトトギス) におけるLEAFY (LFY) ホモログ遺伝子の構造・機能・発現パターンの比較，ならびにTFL1ホモログ遺伝子の単離および発現解析を検討するものである．
平成28年度までに，①両種のLFYホモログ遺伝子 (ホトトギスThirLFY；タイワンホトトギスTforLFY) のゲノミッククローン間には配列および構造的な違いがみられないこと，②ThirLFY・TforLFYともにLFYとしての機能を有していること，③ThirLFY・TforLFYはいずれも主に茎頂部で発現しており，サイトカイニン類およびジベレリン類により発現が誘導されることを明らかにしている．
平成29年度は，主に以下の項目について検討を行った．④開花ステージのホトトギス属植物形質転換体における形態調査およびThirLFY・TforLFYの発現パターンの調査：平成27年度および28年度に作出した形質転換体を用いて検討を行う予定であったが，管理不備により多くの形質転換体が枯死してしまった．そこで，再度形質転換体を作出したが，まだ十分に成長しておらず，調査を行えない状況である．今後も検討を継続する予定である．⑤LFYホモログ遺伝子を異所発現する花き園芸植物の形質調査：ペチュニア・トレニア・カランコエ等の形質転換体では矮化および早期開花が観察され，LFYホモログ遺伝子を用いた形質転換による矮性個体育成の可能性が示された．⑥TFL1ホモログ遺伝子の単離：ホトトギスおよびタイワンホトトギスからcDNAクローンを単離することができた．それらのアミノ酸配列に違いはみられなかった．今後は発現解析を行う予定である．